第13話 閑話
モンモンダンジョン。冒険者達が血で血を洗うダンジョン。カップル達を見る冒険者の血反吐が舞いモンスターに殺され
そのギルド長であるマクレーン女史。
彼女はプラチナ国からその実力を買われてスカウトされた知と武に優れた人物だった。筈だ。
今日も今日とて仕事。
GWのモンモンダンジョンは糞忙しくて猫の手も借りたい状況だった。腹ただしいことに、ここモンモンダンジョンは男性人気も高い。モンモンするこちらの気持ちなんか世間様は考えちゃあくれない。
私は今日も書類と格闘する。
金だけは増えた、体調と引き換えに。
遊ぶ時間も趣味の時間も減った分だけ金は貰える。時間を金で買えたらいいのにって誰かが言ってた・・
私には時間でさえも今では必要なかった。
何処かで無くしたアイツのアイツ・・・
私には親友が、酒を酌み交わす大事な親友が居た。同郷のコミュ障。
ある日アイツが居なくなった。
ここ、モンモンダンジョンで消息を断ったのだ。アイツが居なくなってぽっかりと空いた穴。その寂しさを仕事で埋めたんだ。
冒険者ギルドからギルマスにならないかと打診が来たときにその話に飛び付いた。
ここの仕事は男性と冒険者とのトラブルが有りかなりの案件が出来るハードな職場だった。
ほとんど見ることの出来ない男性が生で見られるから楽しいぞ、なんて誘って来た前ギルマスを殴ってやりたい。
ほとんど部屋に缶詰じゃないか。
まあいい、私にはお気に入りの聖夜様が居る。
聖夜様の少しわけわかめなラップ。
わからない所がまた良い。
男性の歌声が聞ける日がくるなんて、な。
そんな聖夜様ラップを作業用BGMにして仕事をするのが最近の日課だ。
仕事も捗る。
「どうにも、塞がらないほどの痛みを抱えて〜『ドンドンドンッ!!!』うおっ!?」
気持ちよく歌ってたら隣人に壁ドンされたかの様にドアドンされてビクつくマクレーン。
「なっ!?なんだっ?入ってヨシッ!」
ふぅ。威厳が大切。威厳が大事。
死んだ婆ちゃんが日本人は体裁をナニよりも大事にするって言ってた。
ガチャ
「店長っ!!大変ですっ!」
「なにっ!?」
受付嬢
「まだ何も言ってませんっ!」
「マスターって呼べといつも言ってるだろうっ!早く言いなさいっ!」
「あの!『
なんだって!?アイツが!?
私は受付嬢を吹き飛ばして1階に向かった。
あ〜れ〜なんつってたが無視だっ!!
階段を四国で下山する時に土の段差を5段飛ばしで降りるくらいの速さで階段を駆け降りた。
私を忍者かと思うくらいの速さだったって誰かが言ってた。んなことはどうでもいい。
1階に辿り着くとアイツが、居た。
「カッカレンか?」
その燃えるような赤髪。髪が伸びすぎて椅子に座っててもその長い髪が地面に着いてしまっているだろうくらい伸びてる。サ◯コだ。あのコミュ障具合。カレンだ。
奴は受付嬢相手に下を向きながらボソボソ喋ってる。目を見てはなせえ。
旧友との感動のご対面と行こうじゃないか
カレンの相手をしていた受付嬢に私が代わるすまんなっつって親友の顔を真正面から見る。
カレンだ、このばかちんが生きていやがった
少し痩せたか?
「・・カレン、よく生きてたな」
「ボソボソええ、うん?」
「ハハッそのコミュ障具合も変わってないなっ!今まで何をしてたんだ?おっとこんな所だと話せないだろう私の部屋に来い。こう見えても私偉いんだぞ?」
「お、おう、マクレーン久しぶりだな」
いいさいいさ、なんつって職員スペースから中を通らせて私の部屋へ。こいつは人が居る所だと話せないのだ。
「紅茶でもいれよう待ってくれ」
「いや私が出そうお前の作る紅茶など飲めん『
マクレーンは飯マズ属性持ちだ。何をやっても飯が不味くなる才能。いや呪いがあった。
「ふむまあいい、『ズズッ』美味いな。能力は健在か、今までどうしてたんだカレン?」
「カツ丼食ってもいいか?ずっと最下層のラスボスの腹の中で生活してたよ、力が制約されててな真面なもん食ってないんだ」
「あ、ああ食え食え。しかし3年ぶりだぞ?お前は何も変わらないな・・・」
ガツガツ飯を食べるカレンを眺める。
コイツはコミュ障だ。
人と話すのがどうしても苦手なそうだ。そのくせに一度懐に入れると滅茶苦茶喋りだす。オタクの様な女だ。髪が長すぎてカツ丼を食べるのが邪魔そうだ。そんなカレンを潤んだ瞳で見詰めているといつの間にか食い終わったカレンが私を
「あ、マクレーン私結婚する事になってな、今までレ◯プレイしてたがそれももう出来ない、すまんな」
「なんだとっ!!?結婚!?騙されてるぞお前ッ!私とお前で仲良くやってただろ私の何が駄目なんだ!言ってくれ治すから!な!な?」
縋り付くマクレーン。
「ふふ、セーヤって言うんだけどな、ラスボスの腹に現れた天使。チ◯ポ丸出しで討伐した姿をマクレーンにも見せたかったぞ」
「セーヤ!?何処のばかちんだっ!?討伐したってラスボス攻略したのか!?」
「ああ、馬鹿みたいにでかいち◯こだったがばかちんでは、ない。ダンマスになったぞ?」
なんつってニヤリと笑うカレン。
「モンモンダンジョンを攻略だと・・・こうしちゃおれんっ!そのセーヤって人間は何処に居るんだ!?冒険者なんだろうなその女は!?」
「女なわけあるか男だ馬鹿か。ち◯こっつってるだろ。モフモフダンジョンて正式名称らしいぞここ」
下を指差しながら話すカレン。情報が纏められない作者。辟易してます。なんつってもしょうがない。
「詳しく教エロ・・・」
それから小一時間話を聞き出したがセーヤと言う男の情報はなにもわからなかった。
ボス討伐の品々はカレンが創り出した魔法の
そんで今私はカレンを猛烈に慰めてる。
あわよくばそのままベッドに流れ込めねえかなっつー下心があるくらい。
「な?そのセーヤって人もお前のことを嫌ってたわけじゃないんだろ?大丈夫・・」バチンッ
「嫌うわけあるかっ!セーヤは私の肩をマッサージしてくれたんだっ!重いでそ?なんつってわけわかめな言動でなっ!」
あ痛っ。女心ってほんとわけわかめ。
男が女にマッサージ?
鼻で笑ってしまう。
そんなの1◯禁エロ小説か漫画だけの話だ。
「まあカレン、暫く振りのシャバだ。ゆっくりしてくれ。そんで髪切りにいけ」
問題は棚上げすることにした。
「髪切るのついてきてくれ・・・」
ふふふっ。久しぶりに再開した彼女と会った嬉しさと変わらない彼女に私は、笑った。
場面は変わりここは渦。そう、ネットの世界。 蠢く魑魅魍魎達が徘徊し罵声を叫び無知を披露する。渦巻くのは男への執着心。
ネット民はいつだって弱い女と理想の男を探した。彼女もある意味そんな中の1人。
大手会社で働くOLで齢は31。
現実では相手にされないから、
そんな彼女はネットにハマった。
ネットの波は自由だった。海みたいに混んじゃあいない。何を言ってもいい。誰を馬鹿にしてもバレない。最近では厳しい法案も出来たが串を沢山用意すればバレやあしない。そんなのが大多数だったがノリコは悪い波には乗らなかった。悪ノリしないのだ。ノリコだけに
ノリコは探してた。
愛を、ネットで
そんなある日ツブッターを開いて家でゴロゴロしてると男子高校生と言うパワーワードがトレンドに急上昇してきた。なんだ?と思いクリック、クリックするとそこには天使
朽木聖夜!?
その顔は極楽蜻蛉。
存在は至大私高。
見たこともない筋肉。Yシャツから見える鎖骨には迸る色気を感じた。
配信する!?だと?
私はいつもの癖で聖夜くんて極上のオスを見るなり自分の電話番号を載せてしまった
コピペしていつでも男と連絡取れるようにしてあったのだ。今回も無駄になったが
その後、お姉さんぶって彼を見守ることにした。私のコメントを聖夜くんが覚えてるかわからないが、それは読者も覚えてるのかわからない。彼を見守るのだ、ずっと、ずっと。
次の日聖夜くん等身大パネルを聖夜くんの通う学校に持っていった帰り道、特殊工作員が私の前に立った。そのパネルを持っていると死ぬぞ、その一言により私はなくなく聖夜くんパネルを渡した。
死んだら、会えないのだ。
好きな人に。
嫌いな人間はいつだって勝手に目の前に現れる。
思考の問題だった
嫌いなものを好きになる必要はない。
毛嫌いしなければいいだけの話なんだ
道端に落ちている小石だって好きになれる、時が必ずくる。だって世界は輝いてる。好きなモノが出来ると人生は輝くんだって。
私は今日も聖夜くんのラップを聞く。ネットでは会いたいとかやりたいとかコメ欄を賑わせている。私達は愛の痛みを知ってるのだ
聖夜くんはゲロを吐いてもロマンティック。ネットに晒し上げたギャル達はバイクに引き摺られて河川敷のタマアンちゃんの隣に並べられた物の大事にはならなかった。
世間ではわけわかめな歌とかちょっとナルってるとか言われてるけど私はそうは思わない。
だって、
愛があるから
:楓と鏡花
柿崎楓は聖夜との熱い夜を3日間過ごして帰宅する。紅葉姉さんがなにか言ってきたがエヘヘッつってスルーしといた。
久しぶりに自宅のお風呂に入りホッとする。お風呂は魂。何処かの偉い人が言ってた・・・
お風呂から出てカエデのお漏らしタイムが始まる。
:クラスCHAT1A
楓・聞いてっ聖夜くんとエッチしちゃった!
A・は?うそだろ?
B・柿崎さんそれはマジデジマ?
C・マジで?
B・デジマ?
D・マジでジマ?
委員長・イケないことだと思いますっ!
鏡花・あらん、おめでとうございます、祝福致しましてよ、皆さんも落ち着きなさって?
楓・ほんとだよっ!これ証拠写真っ
画像/jp
B・なんつー画像ageるんだザッキー
A・これはザ◯。死ぬだろこんなん耐性無いやつが画像見たら
楓・あれ?人少なくなくなくなくなくない?
B・そりゃ私も現在進行系で捗ってるからな、皆夢中だろ
A・オナじく
楓・実際するともっと凄いよ?
A・それ詳しく
B・興味しんしん丸
楓・聖夜くんね、そっちの穴は違うって言ってるのにね、むりや・・・・
楓ちゃんは延々と漏らし続けた。
そんで鏡花が何処かで無くしたアイツのアツイ日。翌日になり学校に行く前に楓のスマホに連絡が入った。
『楓さんおはようございます。
『コウノトリ!?エッチしたの??凄かったよね!うん!作ってくれたら入るから!』
んなわけで聖夜の知らない所で情報がイロエロ共用されてたのであった。
グループ名の名前は『妻's』だったとか
ウッ、アー!!!、by ボーイズ・ビー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます