第10話 MERRY GO ROUND
「クッ!クサっ!朽木くん何か臭いで」
優しく抱き締めて黒ギャル彩愛と良い雰囲気になってたのに急に俺の事をディスりはじめた。
あ、小便巻き散らかした名残りや。すまん。
「ちょっとおしっこ漏らしちゃってえへへ」
「・・・何言うてんねん、『クリーン』これでええやろ」
おおっ!?魔法だ!彩愛がクリーンなんつって詠唱すると俺の体をキラキラの光の粒子が包み臭くない俺が誕生した。
「魔法使いだったのか彩愛っち」
「はぁ?こんなもん誰でも唱えられるで、それより護衛達が朽木くん探しに行った筈やけど会ってへんの?それにこの人は誰や?」
まじかよ俺もメラ◯ーマとか使いたいんだが。
愉快な仲間達?そうだ
「この子はカリン、狼の腹の中で会ったS級冒険者らしいぞ、ちょっと助さんに連絡するわごめん」
「狼の腹の中っ!?なんでやねんっ!?」
彩愛をスルーしつつ助さんに電話した。
カレンは人混みにビビってるのかずっと俯いて地面で何か小さな木の棒で土を弄ってた。
「朽木殿、心配しました。」ウルリン
助さん格さん達、セロムの人達とも合流してとりあえず腹が減ったので飯を食おうっつー話になった。ダンジョン広場に食堂や冒険者ギルド、治癒所や買い取り所なんかが並んでおり食堂へ。
「いらっしゃいませ〜・・へ!?」
何故かビックリしてる看板娘に21人だけど空いてますかっつー。皆滅茶苦茶頑張って探してくれてたみたいなので奢るつもりだ。
硬直してたのでどうしたんやろと思ってたら奥から店長らしき人物が出てきた。
「ッ!?これは聖夜様、21名様ですね、ご案内します。」
お座敷の様な宴会場に案内されて各自ドリンクが運ばれる。無礼講なのでビ◯ルだ。右に彩愛とセロムの隊長に副隊長、左に助さん格さん三戸さん。前の座敷にはセロムのエチエチ部隊達。カレンはいつの間にか消えていた。飲み会で消える女、遊びだったのネ。
「では皆さんグラスをお持ちになって、今日は色々ありましたが不問にして無礼講としましょう。今日は僕の奢りです!お疲れ様でした!カンパーイッ!!」
「「「カンペーイッ!!!!!」」」
男性に奢られる、だと?とか、一生の思い出にするとか言うセロム隊員。
なんでやねんっ狼に食われてなんで無事だったんや、とか。不問か、セロムも潰れずに済む、とか無礼講??・・ギラリ、とかコンゴトモヨロシクって言葉を流しながら◯ールを口に流し込んだ。
チュンチュン
朝です。自宅のベッドの上。
昨日は久しぶりに飲んで楽しかった。
楽しすぎて途中王様ゲームなんてしてしまった。何故か店長や看板娘も混ざって参加してた。割愛するが。
今日は緑髪おさげメガネ爆乳女子の委員長と図書館デートだ。ちがう、ワンダーランドと言う遊園地で待ち合わせだ。委員長なので図書館でデートすると好感度が上がると何故か思ってしまったのだ。とき◯モかよ。
殺気立つスポンジやメイド長やツンデレや無口系美少女達をときめかしてからデートに出掛ける。
んなわけで今日もセロム隊と護衛達でワンダーランド前に到着。人がめっちゃ居ます。前世のディ◯ニーランドみたいな遊園地だ。マスコットのワンダーくん。犬だ。
GWというのも手伝って人が多すぎてわけわかめな状態なので委員長にライムする。すると車の方に近付いてきてくれて合流できた。
「ありがとう委員長その帽子可愛いね」
「バハっ!?あ、ありがとうございますう」
いこっか。なんつって腕を組んで横乳の感触を楽しむ。いけないことだと思いますとは自分がされてる時は絶対に言わない委員長、助かる。
俺が歩くと誰もが3度見する。1度俺の顔を見てすぐに顔を反らしてから驚く程の速さで2度見する、そして白目になりアヘ顔になり3度見するのだ。焦点があってなくて地味に怖かった。昇天してるだろ絶対。
周りのアヘ顔達を華麗にスルーしながら委員長に聞く。
「委員長なに乗りたいのん」
「朽木さんにっ、違っ、い、いやあれっ!あれ乗りましょう!」
本音が出てるドスケベ委員長。彼女が指指してるのは船が右に行ったり左に行ったりして揺れるスリリングだけど緩い奴だったので了承した。
回転するジェットコースターや速くないけどスローオーバーな乗り物達を回り、お化け屋敷に入るときには委員長に聖夜って呼んでくれ、なんつってカッコつけといた。コーヒーカップなんて回った時なんかあまりの回転速度に吐きそうになった。それらを周りの揺れてる乳と共に嗜むとあっと言う間に時間が流れて夕焼けの陽で辺りが照らされた。待ち時間が7割だったが横乳や配信のおかげで何の問題もなかった。
昼飯の時に入った糞高い値段のレストランに居るときにワンダーランドの支配人が何故かやって来て年間フリーパスっつーものをくれた。本当は廃止してるのですが聖夜様には特別ですっつって渡された。知らない人から最近よく名前を呼ばれるのは配信してるからかと思った。なので今度配信してもいいですか?と聞いたら是非是非と言われたので早速助さんにスマホでキャメラを回してもらったのだ。
夕日をバックに委員長と肩を組んで助さんカメラマンに振り向く。
「撮れてる?助さん」
「はい、バッチリとれてます」バチバチ
「コメント見れないけど皆楽しめたかな?ラストはメリーゴーランド乗ります!」
そう、この男何を思ったのか遊園地デートを配信してるのだ。顔出し上等の委員長。コメント欄は阿鼻叫喚の地獄絵図になってる事を彼はまだ知らない。
:コメ
・聖夜くん尊い
・遊園地デートしてるメガネの女誰?
・変わりたくてしょうがなくてどうしようもなくておかしくなりそう
・マジで聖夜くん可愛いんだが
・そこの女の顔してる奴は◯す
・聖夜くんってほんと凄い。何が凄いって私達が思わないことを平然としてくる所
・殺害予告は通報しました
・まあ全員が思ってるよ
・ここ人少ないけどこれはワンダーランド近郊のやつら絶対行ってるだろこれw
・私達地方勢はいけないけどね
・ツブで見たら沖縄から向かってるって猛者居たぞw
・まあこんな機会なかなかありそうじゃないよな、ないよな?
・↑聖夜くんの事だから普通に何かしでかしそう。
・禿同
・これは見守りたい
・んだな
・だね
んなわけで若者が帰るにはまだ早い時間だがラストの乗り物へ
「委員長行こっか」
「うっうんっ」
委員長は俺の女的扱いをされて終始聖夜の言いなりだった。彼女の口から出る言葉はYESしかないのだ。
メリーゴーランド。周りからも見られるそれ。
委員長を先に白い白馬に跨らせて自分もその隣に飛び乗る。それは正しく王子の姿形。
聖夜が配信をしてからワンダーランドに駆けつける女達で溢れかえった。この日は入場者が過去最高記録を塗り替えて大幅に更新したと言う。
当然聖夜の行先には人で溢れ返る。
聖夜が白馬に跨ると地面が揺れた。
遊園地の女達が聖夜を守ってる護衛に飛びかかるのも必然と言えた。
「聖夜くんっ!!私を後ろにのせてっ!」
「バカがあ!あたいだっ!あたいのもんだっ!」
「メガネを殺して私がその席を奪う」
「私だっ!!」
「いや私のもんだっ!」
メリーゴーランドの柵を壊して女達が中に入ろうとするも護衛達の結界魔法によりビクともしない。手練だ。
「アヅっ!!」
「ギャアっ!」
「ちっ、結界を張ってやがる術者を狙えっ!」
「「「おうっ!!!」」」
結界魔法には術者を起点にして張るものと円の外側から張る方法の2種類ある。聖夜を囲う結界は後者で有りその魔法は設置結界石による応用の術だった。
「不味いぞこの人数、角村、車を回してくるから少しの間耐えてくれ」
「ヨロシク・・・」
助平がキャメラマンとなっているので三戸が音頭を取る。三戸は空を駆け抜け車へと飛んだ。
「いや〜メリーゴーランドて良いね、そだ、ワンダーランドのメリーゴーランド、let' ゴーウィンスロウリーNOW、病み上がりでもこの雨上がりの夜空の様に構わないよsoイッツショウタイム〜なんてどう?助さん」
「最高です、他に何もいらない」カクシン
アハハなんつって笑う馬鹿。
周りがジンバブエのスラム街よりも治安が悪くなってるのに気付かずに呑気に歌っていた。
「もっ持ちません隊長っ!」
「糞がっ!三戸さんがそろそろ来るはず!それまでなんとかしろ!」
「「了解っ!!」」
護衛達は死地を死守していた。正しく地獄。
万の軍勢を抑えるのにこの手練の数では不手際もいいところ。死んだ婆ちゃんの顔が頭をよぎった。
そんな所に激しい機関銃の音と共に三戸の運転する車が現れた。ガトリング砲が自動で回転する。毎分8800発が飛び出る特殊鋼弾が火を吹く。女達は玉に当たると例外なく地面に蹲る。死んではない、多分。
ガトリング砲をブチかましながらメリーゴーランドの柵にブッコム。
『ドガシャアァアンッ!!』
「なっ!?」
「朽木さんっ!こちらに早く!助平いつまでキャメラ回してんだ殺すぞっ!」
「「ハッハイッ」」
三戸さんの顔が糞恐ろしかったので俺はよくわからなかったが助さんと一緒にYES MANとなった。辺りを見回すとゾンビ達が、バイ◯ハザードかここは。U◯Jには来てない。
「委員長すまん行こっか」
「ううん、私の命日は今日。楽しかったありがとう聖夜。だから良いの、ここに残るわ」
委員長はそんなわけわかめな事をぬかしながら帽子を脱いでギュッと両手で握りしめる。
委員長は理解していた、朽木聖夜と一緒に居ることで他の有象無象から嫉妬され殺害されるであろうことを。それは聖夜が問屋を卸さない。
「なに言ってんの、俺の大事な女だろ?着いてこいよ」
「あっ」
聖夜は久しぶりの遊園地で浮かれていた、フワッフワだった。歯の浮くようなセリフで委員長を黙らせる。そんな場面を未だに助キャメラマンが配信してた事によりネット民も委員長への殺害行動が押黙るのは必然的。
手を繋いで車へと乗り込み席がいっぱいだったので膝の上に座らせた。何処かがすぐに大きくなった。そんな一部始終を助さんキャメラマンはずっと撮ってた。
メリーゴーランドには壊れた木馬達と委員長の帽子が跡に残された。
「ただいま〜」
委員長を家まで送り届けて屋敷へと帰宅した。屋敷の少し手前で助さんからこの辺で配信を終了しますなんて言われながらオ◯ホじゃないスマホを渡された。
「お兄ちゃあんっ!!」
ウッ。タックル・ザ・妹。今日もパワーいっぱいだ。おっぱいは、ない。
「お兄ちゃんワンダーランド私も行きたかった!!」
「マジかじゃあ今度行く?」
「お兄ちゃん出禁だよっ!ワンダーランドのホムペに載ってあったよ?」
マジか。年間フリーパスゲットした日に出禁になるとは。
「そっか、じゃあトシマデンとかでもいいじゃん」
「あそこは潰れたよっ!」
まじかよ。としま◯ん、サファリパークの帰るときに手を降る機械のお姉さん好きだったのに。この行場のない気持ちを朱音をナデナデすることで誤魔化した。
風呂に朱音と一緒に入ってから飯を食って自室でツブッターを開く。
遊園地デートがトレンド1位になってる。
隣の女誰?が2位だ。
委員長もわけわかめな事言ってたしな、ライムしとこ。
『今日は楽しかったありがとう\(^o^)/
また行こうね!最後スカート汚してごめんね』っと。
爆発しちゃったのだ車の中で、なので謝っとく。すると音速で返信が返ってくる。
『こちらこそありがとうございました!股?イケないことだと思いますっ!イケたなら良かったのですが(#^^#)』
などと意味不明な委員長。俺は返信をしないでそっ閉じした。
そんで夜の配信をする。今日は俺は浮ついてるので質問コーナーつーものをやってみようと思いテンション高めだ。
「こんばんはっ!」
・こんばんは
・聖夜さんこんばんは
・聖夜くんこんばんはっ!
・キタコレ
・ばんわ
・会いたかった会いたかったYES
・昼間会えなくてお姉さん残念だったな聖夜くん
・今日もめちゃくちゃイケてる
・昼間っつーか今日はえらい目にあった
・私も行った勢だが弾食らった
・あたいも
・私もだ、体がまだ痛いんだが
・ハイハイ聖夜様襲おうとした罰
・聖夜くんちょっと浮かれてるみたいで可愛い
・自業自得だろw
・んだね
「今日はっ!質問コーナーなんてのをやってこうと思います!質問箱とかよくわかんねーので今!コメントしてくれると助かる!」
・質問コーナーだと?ゴクリ
・天然来ましたね・・・
・なんでも?なんでもいいのか?
・好きなたべものはなんですか(小2)
・は?コメント見て答えてくれるのか?実質結婚じゃん
・お姉さん困っちゃうな、聖夜くんの事で知らないことなんてないし・・・
・うーん、確かに性癖から指の毛の長さまでネットで出てるからな
・ポッ◯キットに出てるよね情報
・そなんだよな、あ!聖夜くんが結婚してもいいと思える女は居ますかなんてどうだ?
・↑それは7チャンネルで既出済み。料理がうまくてケツがデカい女だって
・聞くことねーじゃん
・困ったな、
・うーん唸るね
あれ?イキって質問コーナーを設けるも乗り気じゃないコメントがチラホラ。と、これだ
「好きなたべもの?好きなたべものは君っ!質問してくれた君のこと食べちゃうよ?」
ガオーッなんつって最近リアルで食われた狼の真似をしながら言ってみるとコメントが荒れた。
・は?私も食べろ
・ふーんエッチじゃん
・好きなたべものは?
・ふじこ
・好きなたべものは?
・好きな食べ物は?
・好きなたべもの教えろ
・私の事もたべてもいいんだよ?
・お姉さんの事も食べて?
・好きなたべものは?
・今日もキツくてワロタ
・ガオー顔ありがとうございます
・好きなたべものは?
・好きなたべものおしエロ
・ご褒美でしょ謝謝
・しぇしぇしぇ?草生えた
・好きなたべものは?
・好きなたべものはなんですか?
・・・・・
お、おう。皆好きなたべものは?しか言わなくなってしまった。コレじゃない。違うんだ浮かれてたんだなんて今更言えない。違う違う、そうじゃ、そうじゃない。でも嘘じゃない。
アハハなんつって逃げることにした。戦略的撤退だ。コメントでは君を逃さないとか愛は渡さないとか言ってたが俺はパソコンの電源ボタンをそっ押しした。
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