114 最終決戦開幕
魔王をゾンビ化してすぐに、私は先生ゾンビのテレポートにより、オートマタと先生ゾンビ、それから隠密ゾンビをエールフリート神聖国へと送った。
そのまま魔神が暴れている現場へと走り、隠密ゾンビの神隠しを存分に頼ってタイミングを見計らう。
これから使うのは最後の切り札だ。
決して、タイミングを誤ってはならない。
途中で魔神の放った、地平線の果てまで破壊する大魔法と、闇魔法の雨をバラ撒かれた時は焦った。
大魔法はこっちに来なかったし、闇魔法の雨はオリハルコンリビングアーマーと先生ゾンビの力で何とか回避したけど。
そこで先生ゾンビのMPを余計に使わされたのは痛い。
まあ、ゾンビの負傷や消耗はDPで回復できるから、そこまで大きな問題でもない。
DP貯金してて良かった。
そうしている内に、神道を中心としたラッシュで魔神が袋叩きに合い、その直後に真装を出してあっさりと逆転した。
あれはない。
ふざけんなと思った。
いくらなんでもチート過ぎるでしょ。
そんなチート魔神に神道が勝てる筈もなく、両腕を斬り飛ばされて蹴飛ばされ、地面に転がった。
他の連中も満身創痍で、まともに戦えるとは思えない。
うん。
そろそろ仕掛けるべきだ。
「《暗転》。これで終わりだよ」
そう思った瞬間、魔神が新たな魔法を発動させた。
あっという間に地面を侵食していく闇。
超広範囲攻撃。
これが放たれたら終わるという確信があった。
だからこそ、全てが終わる前に切り札を発動させる。
「《フロアテレポート》」
「うん?」
使ったのは、先生ゾンビの必殺技。
前に指揮官率いる部隊を丸ごと拉致した、広範囲無差別転移の魔法。
神隠しの効果で察知不能の攻撃となったこの魔法。
それによって前と、試運転の時と同じように、この場の全員をダンジョンのボス部屋へと拉致する。
「交代」
そして、そのまま用済みとなった神道の首を、完成体リビングアーマー先輩IN私の剣で貫き、始末した。
魔王を殺した時程じゃないけど、それでもかなりのDPと経験値が獲得できた。
即座に神道もまたゾンビにする。
同時に、ボス部屋内のトラップを一斉に起動。
魔神を狙いつつ、一緒に拉致してきた満身創痍のボロ雑巾どもを虐殺していく。
『ギャアアアアアアアアアア!?』
残ってた連中は、曲がりなりにも魔神の攻撃をしのいで生き残った精鋭揃い。
弱ってるから苦もなく殺せるけど、労力に対して収穫は膨大。
全員合わせれば、神道にも匹敵するだけのDPと経験値を得られた。
そして、その中で目ぼしい奴はゾンビにし、そうじゃない奴の死体は即還元。
更にDP貯金が増える。
結果、この場に残ったのは魔神と、今殺したゾンビ軍団と、私が今までに集めてきた精鋭戦力のみ。
これで、最終決戦の準備は整った。
「ふふふ、君は中々におもしろい事をするね。まさか、この状況で味方を皆殺しにしちゃうなんて」
ここまでの事を邪魔するでもなく、ただおもしろそうに観察していた魔神が話しかけてくる。
その態度は、余裕に満ち溢れていた。
私は、そんな魔神の言葉に反論する。
「別に味方じゃない」
「あ、そうなんだ。それで? こうして僕を囲んでどうするつもりかな?」
「言うまでもないでしょ。━━あなたを殺す」
「ぷっ! あはははははははは!」
そう言った瞬間、魔神は腹を抱えて笑った。
何がそんなにおかしい?
「僕を殺すかー。さっきの彼らもそうだけど、君達は本当に無駄な事が好きだねぇ。
僕は神だよ?
それも多くの神々を殺してきた上位神だ。
君達ごときが勝てる訳ないだろう?」
ニヤニヤと笑いながら、魔神はそう言う。
油断、慢心。
魔神からは、そんな雰囲気しか感じない。
完全にこちらを舐めている。
でも、それは好都合だ。
ーーー
魔神 Lv???
名前 ???
状態 真装発動中
HP ???
MP ???
攻撃 ???
防御 ???
魔力 ???
魔耐 ???
速度 ???
ユニークスキル
???
スキル
???
称号
???
ーーー
真装『ダークネス』 耐久値???
効果 ???
専用効果 ???
ーーー
鑑定しても意味がない程に、魔神の力は計り知れない。
でも、どんな強者であろうとも、油断すれば足を掬われる。
そこに私の勝機がある。
そう信じる事にする。
大丈夫だ。
私だって強くなったのだから。
ーーー
リビングアーマー Lvーー
HP 450000/450000
MP 0/0
攻撃 180000
防御 360000
魔力 0
魔耐 360000
速度 150000
ユニークスキル
『一神同体』『真装』
スキル
なし
ーーー
一神同体
自身のステータスを、装着者のステータスに加算する事ができる。
ーーー
ダンジョンマスター Lv165
名前 ホンジョウ・マモリ
状態 神鎧装備中
HP 455000/455000
MP 500000/500000
攻撃 182000
防御 361500
魔力 452200
魔耐 361880
速度 151600
ユニークスキル
『大魔導』『真装』
スキル
『MP自動回復:Lv150』『剣術:Lv35』『盾術:Lv35』『雷魔法:Lv100』『回復魔法:Lv90』『並列思考:Lv100』『演算能力:Lv100』『統率:Lv75』
称号
『勇者』『異世界人』『誤転移』
ーーー
これが今の私の力。
魔王すらも遥かに超えるステータス。
でも、魔神に届いているかは怪しい。
というか、多分、届いていないだろう。
それでも、勝ち目くらいはあると信じたい。
そして私は、未だかつてない強敵を打倒するべく、真装を展開した。
「聖域を守りたまえ━━『ガーディアン』」
今まで、実戦では一度も使わなかった私の真装。
華美な装飾を施された鉄壁の盾が現れ、私の左腕へと装備される。
更に、私は右手を虚空へと翳した。
「象れ━━『デウス・エクス・マキナ』」
そして、右手の中にシンプルな造形の剣が現れる。
これはリビングアーマー先輩の真装。
本当なら、本来の持ち主以外には使えない筈の真装だけど、リビングアーマー先輩のユニークスキル『一神同体』の効果によって、装着者である私が扱う事ができる。
恐らく、この世界で唯一の真装二つ持ち。
当然、その効果は重複する。
この力で、私は魔神を倒す。
そうして私は、魔神に向かって剣を振り上げた。
ーーー
真装『ガーディアン』 耐久値100000
効果 防御、魔耐のステータス×3 防御、魔耐以外のステータス×2
専用効果『
真装のスキルによって顕現した力。
本来の持ち主以外が使う事はできない。
ーーー
自分、及び、自身のダンジョン内にいる配下のステータスを大幅に上昇。
ーーー
真装『デウス・エクス・マキナ』 耐久値50000
効果 全ステータス×2
専用効果『
真装のスキルによって顕現した力。
本来の持ち主以外が使う事はできない。
ーーー
他者の真装の専用効果をコピーする事ができる。
ーーー
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