42 お掃除完了
ゴーレムに残りの村人を押さえつけてもらい、オートマタが近づいた時点でくびり殺した。
村長一家を差し出した奴らとかは「話が違う!」とか叫んでたけど、別に私は村長一家を差し出したら助けてやるとは一言も言ってない。
そもそも、こんな奴らとの約束を守る必要もないし。
という訳で、村人は皆殺しにした。
雑魚ばっかりだったけど、数が数だけに、そこそこのDPが手に入ったよ。
それでも、オートマタの元を取るまでは、まだまだかかりそうだけど。
そうして村人達を処理した後は、その死体を還元して、爺ゾンビの火魔法で村を焼き払った。
氷のドームの内部全域を焼き払ったから、たとえ生き残りがいたとしても、今の炎で死んだと思う。
で、その後は、村中を歩き回って民家とかの残骸を還元して証拠隠滅。
最後に氷のドームを火魔法で溶かして解除すれば、あら不思議。
一晩にして、村が跡形もなく消えているではありませんか!
劇的ビ◯ォーアフター!
これで少しはダンジョンが見つかりにくくなる……といいな!
でも多分、原因究明の調査隊とか来るんだろうなぁ。
討伐隊の足取り調査もかねて。
まあ、それは当初の策である、ただの洞窟偽装作戦で乗り切れる事に期待しよう。
それに、今なら全部魔王軍の仕業だと思ってくれるかもしれないし。
それで誤魔化せなかったら、またジェノサイドパーティーだ。
なんにせよ、この村での仕事は、これにて一件落着!
お掃除完了!
夜が明ける前に終わって良かったー。
お疲れ、私!
という事で、仕事を終えたゴーレム達と爺ゾンビを送還する。
ゴーレムは何体か壊されたみたいだけど、ロックゴーレムの代わりくらい、いくらでもいるから気にしない。
でも、ゴーレムだけじゃ魔法が使えないのが難点だなー。
魔法が必要になる度に爺ゾンビを召喚するのも面倒っていうか、危ないし。
爺ゾンビは耐久力が低い上に、ゴーレムと違って替えが利かないんだから、出撃中にうっかり壊れたら大損害だ。
よし。
気軽に使い捨てられる魔法担当として、ガーゴイルメーカー造っとくか。
そして私は、ガーゴイルメーカーを造って、ゴーレム自動生産のシステムに組み込みながら、同時にオートマタを歩かせて、ここから半日くらいの距離にあるというボルドーの街とやらを目指す。
こういう時、並列思考のスキルって便利。
いくつもの事を同時にやっても、頭がこんがらがらないから。
で、今はまだ真夜中だ。
普通に考えれば真夜中の強行軍なんて危険極まりないけど、ダンジョン内の暗闇でさえ物ともしなかった私には関係ない。
擬似ダンジョン領域である半径10メートル以内は完璧にモニターに映るし、オートマタの視界も赤外線搭載してんのかって思うくらいに鮮明だし。
ちなみに、私はオートマタ視点の映像と、モニターで見る俯瞰視点の映像の二つを常に表示してる。
リビングアーマー先輩は、ずっと俯瞰視点で動かしてきたから、こうしないと落ち着かないのだ。
二つの画面を同時に見ても頭が混乱しないなんて、本当に並列思考のスキルは便利。
しかも、演算能力のスキルが更に補強してくれるから磐石。
なんで、こんな有用なスキルなのに、誰も習得してないんだろう?
もしかしなくても、スキルの習得って相当難しいんじゃないかな。
そうじゃないと、明らかに歴戦の猛者だった爺のスキルがあれだけしかなかった事に説明がつかないし。
私は、そこんところを勇者の成長補正でゴリ押ししたと考えれば辻褄は合う。
それに、このスキル二つを習得したのは、リビングアーマー先輩とトラップを同時に操ろうとして努力しまくった時だ。
当初は頭の処理能力が追い付かなくてヒーヒー言ってたから、その努力が凄まじい熟練度になったのかもしれない。
うん。
辻褄が合うな。
そんな事を考えてる間にも、オートマタの足は止まらない。
この分なら、明日のお昼前には街に着きそう。
ついでに、その後のプランも考えておこう。
こうして、マーヤ村壊滅事件の夜は過ぎていったのだった。
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