40 ご近所さん死すべし、慈悲はない
私は、オートマタかダンジョンに何かあったらアラームが鳴るように設定して仮眠を取った。
そして、現在の時刻は夜。
パーティーの時間だ。
頭にジェノサイドって付くパーティーの。
「よし。やろう」
私は宿屋のベッドの上に寝かせておいたオートマタを起動し、窓からコッソリと外に出して、村の外にまで走らせる。
そこで、転送機能によって、ダンジョンのモンスターを召喚した。
そうして、オートマタの隣に召喚されたのは、爺ゾンビ。
リビングアーマー先輩を除けば、ウチのダンジョンの最高戦力である。
更に追加で、余ってたロックゴーレムを50体くらい召喚。
ぶっちゃけ過剰戦力としか思えないけど、まあ、念の為。
「作戦開始」
私の操作によって、オートマタの口からその言葉が発せられる。
このモンスターの群れは擬似ダンジョン領域からはみ出してるので、ダンジョン内と違って、こうして直接言葉にしないと命令が伝わらないのだ。
そうして、まずは爺ゾンビが動く。
「《アイスウォール》」
ゾンビになって弱体化したとはいえ、それでも8000を超える爺ゾンビの魔力のステータスによって、真装を使うまでもなく、村全体を包み込む氷のドームが出来上がった。
昼間にやったら大騒ぎ間違いなしだろうけど、今は夜なので、見張り番が騒いでる以外は静かなもんだ。
すぐに大騒ぎになるだろうけど、その騒ぎはドームの外にまでは漏れない。
そして、これで村人達は逃げられない。
騒ぎも漏れず、目撃者もいなければ、とても穏便にこの村を潰せるだろう。
「散開」
オートマタの無機質な命令の声によって、ゴーレム達が動き出す。
私もまたオートマタを動かし、ゴーレム達よりも早く村へと突撃。
まずは、騒いでいた見張り番を剣で斬り殺した。
「ひ、ひぃいいいいい!?」
それを見て腰を抜かした、もう一人の見張り番も斬る。
鑑定したところ、この二人はせいぜい平均ステータス50くらいしかない。
そんなんじゃ、ロックゴーレムにすら勝てないわ。
見張り番の死体を還元して証拠を隠滅する。
続いて村の中を疾走し、民家に侵入しては住人を斬り殺していく。
全員殺した。
男も、女も、老人も、子供も、親子も、夫婦も、恋人も。
等しく皆殺しにする。
「お願いします! この子だけは! この子だけは助け……」
「ママ!」
子供を庇う母親を斬り殺し、すぐに子供にも後を追わせる。
よし。
次だ。
「あ、あんたは!?」
次は、今日オートマタに泊まらせた宿屋。
驚愕の表情でオートマタを見つめる気の良い女将の首をはね、何かを言う暇も与えず殺害。
次。
そうしている内に、ゴーレム達も到着して、村を包囲するように展開しながら、家を破壊して村人達を村の中心へと追い立てて行く。
この時点では、できる限り殺さない。
殺すなら、オートマタの半径10メートル以内、擬似ダンジョン領域の中で殺さないともったいないから。
そのまま虐殺を続け、30分もしない内に全ての村人は村の中心部に集まった。
その中には、ボロボロになってる戦闘職っぽい奴らも、ちょっと混ざってた。
冒険者かな?
ゴーレムごときにやられた事を考えると、せいぜい最初の3人組くらいの力しかなさそうだけど。
そして、生き残った全ての村人達に向かって、
命令によって、ゴーレム達が道を開ける。
「なっ!? お前、マモリ!? なんでお前が!?」
そう叫んだのは、この村に案内してくれたリックとやらだ。
ある意味、今回の事件の元凶と言えなくもない。
「答えろ! これはお前がやったのか!? 何の為にこんな事をする!?」
決まってる。
私の平穏の為だ。
この村は、ダンジョン攻略時の拠点になり得るから危険だ。
そして、この村があって、ここに人がいる限り、ウチのダンジョンには侵入者がずっと来るだろう。
この村がある限り、私に平穏は訪れない。
だから、潰す。
村がなくなれば調査隊が来るかもしれないけど、そのリスクを負ってでも潰す。
というか、調査隊に関しては、討伐隊を皆殺しにしちゃった時点で手遅れだろうし。
でも、そんな事をこいつに説明してやる義理はない。
私はオートマタを動かし、掴みかかろうとしたリックとやらの腹を剣で貫いた。
「がっ……!?」
剣を抜けば、リックとやらは土手っ腹を押さえて崩れ落ちた。
そこに容赦なく剣を振ってトドメを刺す。
DPが入ってきた。
そして私は、恐怖でガクガクと震える村人達に向かって、オートマタを近づかせた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます