21 結構な戦果

 今回手に入ったのは、まずDPが3258DP。

 内3000DP近くが、真装使いの男を殺して得た分である。

 やっぱり、ユニークスキル持ちは格が違うという事だろうか?


 次に、アイテムの数々。

 一番大きいのは、真装使いの男が、ゴブリンチャンピオンとの戦いでさらっと手放してた『ミスリルスピア』。

 真装使いの男があの場から逃げて所有権を放棄し、ゴブリンとかが拾う前に、何とか回収機能で回収できた。

 ダンジョンの回収機能で回収できるのは、持ち主不在、もしくは私が持ち主のアイテムだけだからね。

 いやー、タイミングが良かった。


 この槍の使い道だけど、とりあえず穂先のミスリルを潰してリビングアーマー先輩の素材にした。

 そしたら、リビングアーマー先輩は胸の中心だけがミスリルになりました。

 丁度、ウル◯ラマンの3分で光るアレみたいな感じだ。

 それだけでも、かなりのステータスアップになった。

 さすが、ミスリル。

 黒鉄より上位の金属なだけある。

 まあ、更に上位にオリハルコンとかあるみたいだけど。


 他のアイテムで特筆すべき物と言えば、真装使いの男が腰に着けてたウエストポーチ。

 案の定というか、中年ゾンビが着けてたのと同じ『収納の魔道具』だった。

 まあ、中からカンテラとか出した時点で気づいてたけど。

 希少品(多分)という事で、これは保存。

 中年ゾンビが持ってたのと合わせて2つあるけど、いつの日か2つとも役に立ってくれると信じよう。

 いざという時は、迷わず還元だ。


 それと、これは特に希少でもないんだけど、保存しておく事にした装備が1つ。

 猛毒フロアで死んだ、アナとかいう女が身につけてた装備一式だ。

 それというのも、アナとかいう女は、私と体型やスタイルが似てたから。

 要するに、いつか私が身につけるかもしれないから保存するという事。

 引きこもりを辞めるつもりはないけど、いつか何かの都合で人前に出ないといけない事があるかもしれないし。

 その時の為。

 まあ、そんな時は来てほしくないってのが本音だけどね。


 ちなみに、この装備は思いっきり毒で汚れていたので、急遽、居住フロアの中に、ゴーレム生産部屋と同じ入り口のない隔離された部屋を造って、そこにゴーレムを一体配置。

 そのゴーレムに、ウエストポーチと一緒に、ゴシゴシと洗ってもらう事にした。

 洗い終わったらアイテム回収機能で回収し、また新しく造った倉庫的な部屋に、今までに集めたアイテムと一緒にぶち込んでおく。

 出番があるまでは死蔵である。


 で、次に経験値。

 これも、ユニークスキル持ちを倒したせいか、凄まじい事になった。

 私のLvが15から25にレベルアップ。

 MPが20000超えた。

 凄い。


 それと経験値で一つ発見があったんだけど。

 実は猛毒のトラップで女が一人死んだ時点で、私のLvが一つ上がったのだ。

 という事は、モンスターで倒すだけじゃなくて、トラップとかで殺しても、ダンジョンマスターには経験値が入るという事。

 これは地味に大きな発見だと思う。

 ただ、私と関係なくダンジョンで死んだ者、例えば今回の戦いで侵入者達に殺されたゴブリンとかの分の経験値まで取り込めてるのかは不明。

 ダンジョンマスターなんだから、ダンジョン内で死んだ奴全ての経験値を吸収できても不思議じゃないと思うけど、これは今後検証できる機会がある事に期待。


 で、最後のリザルトだけど。

 前回と同じく死体だ。

 とりあえず、役に立たなそうなゴブリンとか、女2人とかの死体はさっさと還元しておいた。

 女の死体はトラップとして使えたかもしれないけど、ハイゾンビは地味に高いので、費用対効果を考えてボツにした。

 強い女の死体とかが手に入ったら、その時、改めて考える。


 で、残ったのは真装使いの男の死体が一つ。

 さっきまでは全身に刺さった矢で針ネズミになってたけど、ダンジョントラップの矢は、不思議な事に一定時間が経つと消えるから、今はただの血塗れ死体だ。

 トラップの矢は弾数も無限だし、本当に謎い。


 それはともかく。

 果たして、この死体でハイゾンビを造った場合、ユニークスキルを使えるゾンビが誕生するのかどうか。

 可能性としては五分五分だと思ってる。

 ゾンビ化してもスキルは残るし、なら、ユニークスキルが残っていても不思議ではない。


 という事で、賭けてみる価値ありと判断して、真装使いの男の死体でハイゾンビを作成。

 ん?

 中年ゾンビの時より消費DPが多いな。

 これ、ハイゾンビの作成には、生前の強さとかに比例したDPが追加でかかるって事だろうか?

 ……まあ、仕方ない。

 勿体ないけど必要経費だ。


 そうしてDPを支払い、改めてハイゾンビを作成。

 中年ゾンビの時と同じく、死体を中心に魔法陣が浮かび、真装使いの男の死体がムクリと起き上がる。


 鑑定!


ーーー


 ハイゾンビ Lv40(lock)

 名前 ケビン


 HP 1/684

 MP 0/540


 攻撃 462

 防御 481

 魔力 441

 魔耐 458

 速度 460


 ユニークスキル


 『真装』


 スキル


 『MP自動回復:Lv2』『槍術:Lv6』『火魔法:Lv4』『氷魔法:Lv4』『隠密:Lv6』


ーーー


「やった!」


 思わず声が出てしまった。

 出来上がったハイゾンビは、しっかりとユニークスキル『真装』を持ってる。

 強い道具が手に入ったのは良い事だ。


 出来上がった真装使いゾンビは、とりあえず回復を待ってから第二階層に放っておいた。

 このゾンビは『不死身の英雄アキレウス』の効果によってHPが回復するから、普通のゾンビと違ってDPで修復しなくて済む。

 安上がりで良いや。

 これからは、存分に使い潰させてもらおう。


 ちなみに、ゾンビはHPこそ自動回復しないけど、何故かMPは普通に回復する。

 MP自動回復持ってない中年ゾンビも、アーツで使ったMPが一晩経てば回復しているのだ。

 実に不思議。

 トラップの神秘と合わせて、あと五つくらいあれば、ダンジョン七不思議が作れそう。


 なんにせよ、これで今回の戦いは完全に終わりだ。

 疲れたー。

 お風呂入って寝よう。

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