第85話
高校生になった舞佳の心情は、ずっと暗かった。
家でも、鈴と幸からの圧力は強くて…
ずっと辛かった。
「ちゃんと勉強しなさい!」
「音楽なんて聞いていないで…!」
そんな中、最初に出来た友達は、楚世歌だった。
和花も、舞佳に味方してくれた。
和花は、思ったことを保護者にも率直に真っ直ぐに言う先生だった。
鈴たちにも屈することがなかった。
そのおかげで、鈴たちにはかなり嫌われていた。
鈴が「クズ教師」と言っていたのが、舞香 佳は許せなかった…
でも、舞佳には反抗する力は無くて…
楚世歌は、家でスマホの使用を制限されて一切使えなくなってしまった舞佳のために、放課後こっそり舞佳と一緒に動画を見てくれた。
傑と縁人は…
舞佳は気が付かなかった。
二人が自分を巡っていたことも、恋敵として言い合っているということも…
でも、二人が自分のことを好きだったと知った時、自分の良いところを見つけて、好きになってくれる人がいるんだと知った。それは、嬉しいことだった。
そして、クラスメイト以外の友達で、保育園生の定と彦がいた。
定と楚世歌は、いつも仲が良くて…内服薬の副作用で寝てしまう定の膝枕をしては、その可愛い寝顔に見惚れていた。
その間に、舞佳はよく彦とお菓子を食べていた。
でも、最終的に…全員、いなくなってしまった。
和花は病気で…
縁人は、鈴に道路に突き飛ばされることがあって、鈴たちから離れるために引っ越した。
楚世歌は、幸に酷い目に遭わされたらしく、外に出られなくなり不登校に…
傑も転校していった。
最後に、舞佳に自分の思いを伝えて…そこを鈴に見られて、手を上げられても負けずに…。
定は、病気を治療するために遠くの病院へ行くことになって、引っ越した。
彦も体調悪い日が続き、通院するように。
引っ越してはいないが、全く会わなくなった。
辛かった。
だけど、和花の”あの言葉”が…
舞佳の夢の中で言ってくれたあの言葉が、最期の言葉が、舞佳の背中を押した。
高校卒業後、舞佳は家出した。
自分を傷つけ、傷つけられ…ボロボロになった体で、走った。
もう、あの家にいるのが限界だった。
そこで出会ったのが…まりかだった。
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