第123話 ……進む前の飲みコラボ その一
さて、そんなわけで本日のメイン。慰労を兼ねての料理コラボである。なお先輩は食べ専。
ダンジョン食材が高いからと言う理由で、あんまりデンジラスのメンバーには振る舞えてないので、ここは腕に寄りを掛けたいところなのだが……。今回も事前に釘を刺されている悲しみ。オーダーの要項に『加減しろ』と入ってたので仕方ない。
ちなみに今回のメニュー……メニュー? まあ、方針的なアレとしては、お酒をメインに軽くおつまみ的な感じとなっている。ガッツリ食べるより、まったり飲みたい派らしい。
「四谷先輩、前のコメントの時もお酒ってオーダーしてましたけど、そんなに好きなんですか?」
「大好きだよー? お酒は日々の苦しみを消してくれるからね」
「そんな苦しい生活送ってるんですか?」
「この前は推しキャラが死んだ」
「ア、ハイ」
:大好き助かる
:助かる
:大好き助かる
:草
:……嫌な事件だったね
:四谷の推しは大体死ぬ
:病みツイしまくってたよな
:草
:何で推しキャラ毎回死んでしまうん……?
:分かる
:ワイもあれは寝込んだ
:草
そういやちょっと前に荒れてましたね。その直後ぐらいにアメリカの件があって埋もれたけど。
ちなみに四谷先輩の推しは五割ぐらいの確率で死ぬらしい。なお悲惨な目に遭う確率は八割越えだとか。多分そういう系のキャラが好きなんだろう。愉悦部ではないのが本人的には辛いだろうが。
とりあえず、ストレスの多い日々を過ごしているのは間違いなさそうである。普通にライバー活動もストレス溜まるだろうしね。ならば慰労せねばなるまいて。
「それじゃあ、パーッと飲んで辛いことは忘れちゃいましょうか。今回はダンジョン産のお酒……と、言いたいところなんですが。残念なことに、ダンジョンのお酒は値段的にかなりするんですよね。打ち合わせで十万台までに収めるよう言われているので、残念なことにお酒は市販品です」
「本当なら十万でも高すぎるんだけど」
「そこは妥協してください。ぶっちゃけ、ダンジョン食材となると安く抑える方が無理なんですよ。基本単価が高いんで、仕入れ値換算でも結構しますし。販売価格となると余計に無理っす」
「比較的安い食材で試行錯誤するのが、料理人としての腕の見せどころだとお姉さんは思うなー」
「素材の味で勝負する系の料理人なんで自分」
「それ料理人としては下の下じゃない?」
それはそう。でも自分、あくまで料理系のライバーなんで。真っ当な料理人ではねぇんですわ。
「てことで、今回はダンジョン食材でおつまみを作っていきたいと思います。なお、お酒はこちらです」
「……ちょっとー? 山主君、お酒いっぱいあるんだけどー? しかも半分ぐらい私知ってる。高いやつなんですけど。これお酒だけで二十万ぶっちぎってるでしょ」
「分かってますって。流石に全部じゃないです。この中からお好きなものを選んでください。俺は酒に詳しくないですし、四谷先輩の好みが分かんなかったんで。この形にしてみました」
「ああ、なるほど」
「……むしろ、何でこの量見て全部って選択肢出てきたんですか? 十本以上あるんですけど」
「ッスゥー……」
:四谷さぁ……
:草
:これは酒カスですわ
:草
:酒好きにしても限度ってもんがある
:シンプル馬鹿
:アル中かよ
:草
:草
:十本以上を飲み干す気でいたのは流石にない
:急性アルコール中毒で死ぬぞ。山主さんがいるからガチで死にはしないだろうけど
:四谷お前……
マジかよ凄いなこの人。素で言ってたんか今の。ちょっとこれは予想してなかったかもしれない。思ってた以上に酒カスだわ四谷先輩。
「え、えっと……じゃあ、このシャンパンで」
「誤魔化しましたね。別に構いませんが。んで、選んだ理由をお訊きしても?」
「別に誤魔化したわけじゃ……いや、うん。あー、単純にスパークリングワインとか好きだからかな? 特にこのシャンパンは私も知ってはいたし。四万円ぐらいするよね確か」
「そっすねー。一応、今回用意したお酒は三、四万をラインにしてます。お酒を安くすると、今回の趣旨から外れますし」
なにより料理に負ける可能性が高いのよね。四谷先輩が重視してるのはお酒の方だし。それなら最低でも万は越えなきゃなって。
いや、本当ならもっと高いの用意しときたかったんだけどさ。それだとつまみに回せる食材の値段がガガガガ。……天井ありって面倒くさいよね。
「いやー、正直この時点で楽しみすぎる。本当にタダで良いのこれ?」
「こんなの俺からすれば誤差みたいなもんですよ。この前のオークションとか見たら分かるでしょう?」
「あの天文学的な数値のことを思い出させないでくれる? 山主君を後輩だと認識できなくなるから」
:あれヤバい
:全部が兆越えたやつ
:誰が買ったんやあれホンマ
:お金ってあるところにあるんやなって
:総額六兆二千四百八十二億だっけ?
:出す奴も出す奴だし、それをポンと全額寄付する山主もヤバい
:もう値段が本当に馬鹿
:まあ、全盛期の状態で不老になるってことだからな。買う奴は買うよね
:何が怖いって、つまり山主はあの値段以上の資産を持ってるってことでして……
:報告ツイの早さを考えると、オークションも速攻で終わってんだよな。つまり即金で兆単位の金を動かせる人種が参加したってわけでして
:国家予算レベルの資産家が後輩だぞ。喜べ四谷
ちなみにオークションは大盛況でした。大盛況すぎて、担当した国のお偉いさんが頭抱えてたゾ☆。名のある大物たちからちょくちょくクレーム……要望? が入ったらしいし。
特に多かったのが落札期間な。短すぎると。もっと長くしてくれと。そうすれば幾らでも用意してみせるって感じの声が多数。
まあ、全部無視したんですけどね。だってそんなことしたら終わんねぇもん。下手したら振込み含めて年単位だぞ。復興支援用の寄付金にそんな時間掛けてらんねぇんだわ。
値段よりも初動よ。そら落札期間を長めに設定すれば、その分だけ高くなるんだろうけどさ。一番大変な時に金がないと意味ないでしょうが。まあ、復興とか詳しくないから知らんのだけど。
ともかく、だ。食材の値段なんて気にしないでほしいのよね。気にするだけ無駄なので。こっちの懐は全然痛まないから! ……それだけ言っても遠慮されるんだから、先輩たちって本当に謙虚。もっと図々しくなっても良いのよ?
「ま、話を戻しまして。遠慮はしなくて大丈夫ですよ。楽しんでくれたら、それが一番の報酬なんで」
「うわー。キザなこと言うねぇ。そういうことサラッと言うんだから、山主君ってモテそうだよねぇ」
「いや、俺の場合はキザな台詞言うより、通帳見せた方がモテると思いますよ」
「最低なこと言ってる。しかも間違ってなさそうなのが嫌」
「結局世の中って金っすよ。あとは力」
「世知がら……いや後半はキミだけだよね? あと台詞が野蛮人のそれ」
「これからその野蛮人が料理を作るんですよー?」
「何作るの?」
「ワインを選ばれたので、とりあえず一品目はカプレーゼでも」
「野蛮人の癖して超オシャン」
ーーー
あとがき
スマン。料理パートまで進めなかった。それに本当なら、月曜中に投稿する予定だったんや。でも洒落にならないトラブルがあってな。
色々と吐き出すのと、注意喚起の意味も込めて聞いてくれ。
時間は日曜午前二時。つまり真夜中や。ワイは出かける予定があって、六時半に起きなきゃいけなかった。
そんで、そろそろ寝るかぁとなって、寝る前にトイレに行ったんよ。そしたらな、トイレの前で何かの影が横切った。
ネズミ「やぁ」
悲鳴上げそうになったわ。急いで同居してる両親叩き起こして、闇の中に消えたネズミを探し回った。
んで、見つけた。そんで奴は逃げた。行方不明や。探しても見つからん。見つかるのは糞ばかりや。
そうして大騒ぎしてる内に、時間は五時オーバー。どうにか一時間だけ眠って、外出したんや。
で、出先で鼠の被害(散乱する糞、インスタント麺・汁物パウチ・水・シャンプー類が齧られ廃棄、電気コードもガリガリやられた)を聞きつつ、粘着シートや毒餌を密林で注文。プライムやから当日中に届いた。罠も家族がやった。
そんで用事を済ませて帰宅。この時点で午後六時。ヘトヘト。最低限やることだけやって、泥のように眠ったわけや。
それが響いて更新遅れてしまったんや。スマンやで。
ちなみに鼠の侵入経路なんやねどな。この家には長いこと住んでるけど、鼠が出たのは初めだった。そこまで古くもないし、荒れてもないからな。
なので不思議やったんけど、わりとすぐに見つけれた。あの畜生、換気のために開けてた小窓の網戸食い破って侵入してやがった。
てことで、皆さんに注意喚起や。これから暑くなる夏。窓を開けたりすることも多かろう。廊下の窓とかだと、人によって開けっ放しで数日放置とかもあるんじゃないか?
油断禁物やで。特に一階に住んでる人ら。網戸あるし、虫とか入ってこんやろーと放置してると、もっとデカイの入ってくるで。我が家は入ってきたで。
アイツらヤバいぞ。一匹しかいない癖に被害が尋常じゃない。存在感もエグい。今回は野ネズミだったからまだマシだけど、最悪の場合ドブネズミがこんにちはしてくる可能性もあるからな。
先人からの忠告や。マジで気をつけるんやで。洒落にならんからなホンマ。
ちなみに現在、更新時点ではネズミはまだ捕まってません。
ま だ つ か ま っ て ま せ ん
タスケテ。それか憐れみを込めて一巻と二巻買って。二巻は6月28日発売です。もうすぐやで。
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