第二話 正体は?

玄関の覗き穴で確認をする。

外には女性2人程いて、見知らぬ顔だ。

一向に帰る気配を感じられない。



 覚悟を決めた俺は、違和感の無いように化粧をして、帽子を被り、マスクをしてゆっくりと勝手口から出ていく。

ばれないように足音を経てずに何食わぬ顔して

通行人を装い後ろから女性達へ話しかける。

自惚れかもしれないが俺目当てで来たとなれば

正体を晒す訳にはいかない。


「さっきからずっとインターホン押しているみたいだけどここの家に何か用であるの?」


すると、2人同時に振り返り

「あのーここに修神("しゅうしん")がいると聞いていても立ってもいられなくて……」


一人の赤い服を着た女性が目を輝かせながらそう言い放ち、隣の青い服を着た女性も無言で頷く。 

とりあえず、要件は俺の事でその張本人がここにいるとバレてはいないみたいだ。


「その、修神って言う人とは知り合いなの?」


「いえ、そうではないんですが……実のところお礼と警告の為来ました。」


「お礼と警告?」


「はい、だから今のとこ帰ってくるまで待ってます」



内容について聞こうと思っては居たが、すんでのとこで止まった。俺に対して見る目がどんどん警戒モードへと変わっている。

見た目は可愛いのになかなかに怖い。


(ここまでが限界か)


ここで俺はシフトチェンジをする。


「帰ってくるまで待つのは勝手だと思うが、人がいないのを分かっていてインターホンを鳴らし続けたり、会いに来たって事は遠いところから遥々やってきた事になる。そしたら、周囲の目も知らない人がずっと待っていたら不審に思うかもしれない。だから、この事は俺が言伝として伝えおくって事で帰って貰えないかな?」



「なんで、貴方が勝手に決めているのですか?それに、ただの通行人がそこまでやってくれる理由が分かりません。」


青い服の女性も無言で頷く。


(まあ、そうくるだろうな)


俺は、アプリを起動して見せる。

そしたら、二人はこれまで事を納得したように頷いた。



「実は、俺はその漆 修也君の幼なじみなんだ。ここ最近全然しゅうの様子を見てなくてな。

いろんなとこからも引っ張りだこだからきっと疲れていると思うんだ。だから、、、ね?」



 俺が見せたのは神ドルの俺自身がフォローしてる人のみが閲覧する事が出来る、謂わば鍵垢みたいな投稿だ。

 信頼における人物且つ心を許している人のみがフォローされる感じだ。

 当たり前な話俺は本人である為投稿は見る。


修神という呼び方が神ドルでは根付いていた為、恐らくと思って当たって良かった。

 実際俺がフォローしているのは、10人もいないのだがこの場限りの出会いなどでそう焦る事もないだろう。


「事情も分からずに、す、すみませんでした。」


二人は頭を下げる。


「いや、いいよ。気持ちは分からないでもないからさ、、、いいよな修神」


(悪い事したな、、、、、ていうかなんか俺気持ち悪くね?)


と、罪悪感を感じつつ仕方がないとはいえ渋々とナルシストを彷彿させる発言に思わず恥ずかしくなった。

そこから数十秒経ち、


「では、貴方が相手をしてください。そして私達に修神についていろいろ教えて欲しいです。」


「わたし…も……しゅうしん……しりたい」


と、先程の警戒モードから今度は責めの姿勢へと二人は変わっていく。

両方から腕を掴まれ逃げられない状態となってしまった。



先程までは頭を働かせていたので意識が回っていなかったが、よくよく二人を見てると対照的な感じだ。

赤い服の方は清楚そうな見た目に反してガツガツと強引に対し、青い服の方は見た目はギャルっぽいのに喋りといい物静かな感じだ。

しかも、なんたって顔が二人ともレベル高すぎる。

上目遣いでキラキラさせながら、見てくる。


(なんなんだ………このギャップは………)


「いや、でも……」


無理だと断ろうしたら、二人はしゅんとした顔になる。


(くっ……わざわざきてもらったのにこれは……断れない)


「うん………いいよ 今日だけだぞ!」


そうして、俺は仕方なく再び笑顔になった二人に挟まれながら、目的地へと行くのだった。



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書き終わったタイミングで投稿しているので、

時間はバラバラです。


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