第二話
一夜を明けた。
今日は2030年1月1日。
目が覚めた時には既に自分のベットの上にいた。
あの後どうやって帰って、何をしていたか全く覚えていない……が、昨夜のあの事がずっと脳裏から離れない。
身体は重いが、幸運な事に高校生で冬休みの為、当分学校には行かなくていいだろう。
(さて、どうしたものか)
と、思っているもののこの状況を密かに楽しんでいる自分がいた。
軽く伸びをしてからスマートフォンでアプリを開く。昨日までは想像が出来ないぐらいに、フォロワーが沢山溜まっていた。
多数が女性なのか、お友達になりたいとかデートのお誘いなどのメッセージが後を絶たない。
そして、テレビをつけると話題の新アイドルのスターや国宝級なイケメンというタイトルで俺の顔が切り抜きでアップで出されていた。
(なるほど……有名になるって事はこういう事なのか)
嬉しいような怖いような何とも言えない感情が混ざり合ってて、花からも聞いてはいたが、まさか朝のテレビニュースにまで映し出される程の有名な状態になってるので先程まで思い悩んでいたのが嘘に感じるどころか、他人事のように納得していた。
ただ、イケメンというのがよく分からない。
至って普通だと思うが、、、。
とはいいつつも最近は受け手の解釈による勘違いや言葉選びのミスなどで炎上する事は多いのできっとそういう意味で誤解が生まれないようにヨイショでもしているのだろう。
("そんな事よりも、、、")
ふーっと溜息を吐いてから、連絡先を開く。
家族と幼馴染の花しか入れていない。
思考一旦を整理してから、花に電話をかける。
「もしも「うわーっっぁぁ」」
出るや否や叫び声が聞こえた。
「ん、どうした?」
「ん……いや…しゅうから電話をかけてくれたの初めてだったから…………うれしすぎて」
「まあ、昨日の事で心配かけたしな……それより今花の声を聞きたかったのもある」
最後の方は聞こえなかったが、恐らく俺から電話をかける事は明日隕石が降ってくる感覚と似たようなものだろうか。
にしても驚き過ぎな気もするが。
「え?…えへへっ......そっそれよりも昨日大丈夫だったの?」
「あぁ勿論心配はない。昨日の事はあまり記憶にはないが大丈夫なはず……だ。それより花、お前の方こそで何か巻き込まれなかったか?」
「ん?…いや、今んとこ全然大丈夫だよ!」
「それなら良かった。どんな些細な事でもいいから何かあったら言ってくれ」
「うん……そのつもり……そ、それよりも色んな女性から……言い寄られたりしてないよね?」
「あー全く持ってないぞ!」
「ほんとに?」
「あー本当だ」
「あーよかったー!」
何が良いのだろうか?
まぁ、先に彼女を先に作られるのが嫌なのだろうな。
「じゃ、またな、じゃないや新年明けましておめでとう」
「うん、明けましておめでとう今年もよろしくね!」
「おう、今年もよろしく!」
言い終わった後電話を切る。
暫くどのように過ごすかを考えていたがただ、一つの事以外に関してはいつも通りの日常を送る事に決めた。
ある程度方針が決まった所でインターホンが鳴る。
家族は海外旅行に行っていて、姉はモデル活動をしており忙しい為、今家にいるのは俺一人。
そして、花は今電話を終えたばかりだ。
因みに俺に友達は……いない、という事は今インターホンを押している人は俺の知らない人である可能性が高いという事になる。
流石に今開けたら不味い事は分かる。
だが、インターホンは鳴り止むどころか何度も連続で押されて、鳴り響いていた。
30分経っても状況は変わらない。
そして、俺は覚悟を決めた。
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急いで書きました。
同姓同名の勘違いという展開にしようかなと考えた結果、斜めにいく事にしました。
おかしなところがあれば教えてください。
二日に一話投稿予定です。
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