11.僕だけの、モノ。
サイ・・・・・・、僕のかわいい、サイ・・・・・・。
昔からずっと見てきた。つむじが見えていた時から同じ目線で話すまで、ずっと。彼の人生の大半を、僕は知っているよ。どんな色が好きか、何を食べるのが一番好きか、機嫌が悪いときはどんな仕草をするのか、反対に、機嫌の良いときはどんな可愛いことをするか、そして、“誰のことが好きか”。
知っているよ。サイが心を寄せている人。
僕は、サイが愛する人ごとサイを愛せるよ。
だって、僕はサイのことをすっっっっっっごく愛してるんだもの。
誰にも渡さない。誰にも奪わせない。
どんな権力者だって、サイの自由を奪う者は――
――死、あるのみ、デショ?
ああ、サイの笑顔は天使の微笑み。神が力を総動員して造ったのがきっとサイなんだね。いるだけで愛されるべき存在。愛らしい存在。かわいくて、かわいくて、狂っちゃうよ。
誰かが君を見ているだけで、汚すなと目を抉り取りたくなる。
誰かが君に触れると、汚すなと言ってその手を捥ぎたくなってしまう。
僕がそれを許すのはただ一人だけ。
それは、サイが愛する者。
その人だけは、許してあげる。
僕も、愛しているからね。
ああ、役職も国もどうでもいいから、早くサイとどこか遠くで楽しく穏やかに暮らせないかなぁ・・・・・・
あ、サイが微笑みながらこちらへ走ってくる。
もう、かわいいなぁ・・・・・・。
その笑顔、ずっとずっと僕だけに、向けてよね。
――11.僕だけの、モノ。(Side.???)
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