第165話

 サタ様と戻ってきたらアール君とゆっくり眠り、朝食後私はついにカレーを作る。だけど、いまから作るカレーはポーションと同じで、辛味がないカレーかもしれない。

 

 ――それでも、作って食べてもらいたい。まだベッドで眠る、2人を眺めた。


「あ、先にコメも炊かないと……何合炊こうかな?」


 メスティンは2合だから、はじめはそれだけでいいかな。今日、上手く作れたら、みんなにも作って食べてもらおう。エルバの畑からコメ草を収穫して、袋にコメを取り出した。メスティンに魔法水とコメをいれて、ポケットストーブにセットして、私は料理博士を読んだ。


 料理博士、カレーの作り方教えてください。


《はい。いまから作るのはククミン、タタメリック、コリアンダダを使ったスパイス、チキンカレーです》


 スパイス、チキンカレーかぁ〜おいしそう。

 博士、作るのを初めだから2人前のレシピをお願いします。


《かしこまりました。エルバの畑からタマネギギ、ショウガロン、ニンニクク、トマトマ一個ずつ収穫して、タマネギギ一個はみじん切り、ショウガロンとニンニククをおろしてください》


 はい!


 エルバの畑で博士が言った、タマネギギなどを収穫した。アイテムボックスからまな板を取り出して、タマネギギをみじん切り、ショウガロンとニンニククをおろした。


 次はどうすればいいですか?


《お鍋に油を引き火にかけて、ニンニクク、ショウガロンのおろしを小さじ一ずつ入れて、タマネギギのみじん切りも加えて炒めてください。次にククミン、タタメリック、コリアンダダ小さじ1つずつ加えて炒め、鶏と刻んだトマト2個と水、コショウ少々と塩小さじ2分の1をいれて煮込めばスパイスカレーの完成です》


 おお、私にも出来そう。


 テーブルと卓上コンロを取り出し、細く切った薪を入れてチャッカマンで火をつけた。深いお鍋に油を引き火にかけてニンニククとショウガロンを炒め。


 次にみじん切りにしたタマネギギを入れて、作ったスパイスを小さじ一ずついれて炒める。


「いい香り〜。次に残っていたモコ鳥とコロ鳥のお肉とトマトマ、水と塩コショウを入れて煮込めばスパイスカレーの完成!」


 料理博士に聞いた通りの手順で煮込み、味見をしてみる。


「カレーだ! 辛くないカレー⁉︎」


《エルバ様、辛くしたい場合はチリチリペッパーをお好きな量を加えてください》


 チリチリペッパー?


《チリチリペッパーとはトウガラシシを粉末にしたものです》


 ほぉ。

 甘みも欲しかったら、リリンゴとかハチミツかな?


「今回はこのまま食べよう!」

「いい匂いだな、食べよう」

「美味しそうです」


 サタ様とアール君はカレーの匂いで目が覚めたけど、出来上がるまで黙ってみていたみたい。


「ごめん、いまからコメを炊くから火をつけて」


 わかったと、サタ様がポケットストーブの中央に置いた、火の魔石に火をつけてくれた。コメが炊けるまで、カレーを薪を調節して弱火にして煮込む。


 そして、15分経過してコメが炊けた。


「スパイスカレーを食べよう!」


 アイテムボックスからお皿を取り出し、コメをよそい、カレーをかける。夢にまで見ていたカレーがいま目の前にある。


「「「いただきまーす!」」」


 スプーンですくってパクッと食べる。


 ――お、おお! まさしくカレーだ。


「おいしい――!!」

「なんだこれは――」

「初めての味です」


 2人とも驚きながらも、カレーを口に運ぶスプーンが止まらない。

 

 私も、もう一口食べようとしたが。いきなり、サタ様とアール君が「ウォォォォ――!」と叫び、体が目を開けていれないくらい光だす。私はとっさにカレーの皿を置き、その光に吹っ飛ばされて、テントの外へとコロコロ転がった。

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