第135話

 冒険にしばらくでないので、ママに頼み魔法を習い。

 領地近くのシシリアの森を、探索する日々を送っている。サタ様とアール君は私の護衛をしてくれるから、森の隅々まで探索ができて楽しぃ!


 ――まあ、2人も狩りを楽しんでいるんだけど。


「おお! 野生のサクランボウボ見つけ!」

 

「うむ。楽しんでいるな、エルバ! ワタシもモコ鳥をかなりの数、狩ったきたぞ!」


 血抜きを済ませた、モコ鳥を見せた。

 今日は焼き鳥、照り焼きチキン、親子丼、オムライス……いや、大好き唐揚げかな? 唐揚げにするなら、ギャベンツの千切り、10合炊ける鍋でコメを炊いて、ジャロ芋のお味噌汁、ダイダイコンのお漬物にしよう。


 足りなかったら、また作れば良いっか。

 

「じゃ、今日の夕飯に唐揚げを作るね!」

「唐揚げですか? いいですね、エールが進みます」

「帰ったら、エールを冷やさないとな」


 サタ様はいつにも増して泥だらけの自分と、更に泥だらけの私とアール君を見て笑い。

 

「その前に、ワタシ達は風呂だな」

「お風呂? 入りたいね! 早く領地に帰ろう!」

「はい、戻りましょう」

 

 これまでに――魔法都市を囲むシシリアの森でメロローン、スイカーン、ナッシンなどの野生の果物を始め。煎じたらお茶になるチャッパ。ブッコリー、カボッチャ、サツマイマイの野菜を見つけた。


 あと、痒み止めになるチチリン草。

 しゃっくり止めになる、コルコル草。

 痒み止め、ローコル草

 風邪予防になる、モモラ草も見つけた。


 それらを調合壺で調合して薬を作り、物々交換屋でお鍋とフライパンに交換した。神様仕様の調理器具もいいのだけどほとんど1人用だし、ドワーフ製の調理器具は使い勝手がいいのだ。


「みんな、お疲れ様です!」


「「おかえり、エルバ」」


 パワー様は海の自宅と領地を行き来し、ソーロ君の家族は畑仕事、ラッテさんとアビス君はパパ達と一緒に家造りを手伝っている。アウドラムの家族は鬼人、ドワーフ人とエール作り。

 ワイルドポポーの源さんは腕っぷしの強さを生かし、獣人、鬼人の若者を魔法都市で鍛えている。


 日も暮れてくるとパパとママも合流して、みんなが座れる、大テーブルで出来立ての夕飯を食べる毎日を送っていた。


 いやぁ、みんなの食べる量が多すぎで唐揚げ、餃子、カツ、焼き鳥の大皿料理ばかり作っている。それでも足りないときはお好み焼き、ピザをみんなで作るんだ。

 

  


 翌朝、ママとの魔法訓練の後、領地によりみんなでお昼を食べてから、サタ様とアール君と森を探索していた。

 もう少し奥に向かおうとした、私達の元に「メェ~」と鳴き、モコモコの羊がプカプカ飛んできた。

 

「お、珍しい、魔王ローザンからの手紙だ」

「新魔王のローザン君からの手紙?」

「珍しいですね」


 サタ様がローザン君からの手紙を受け取ると、シュワッとモコモコの羊は消えた。届いた手紙を見ようとしたとき、私達の頭上をバサバサと大翼を広げた、真っ白なドラゴンが飛んでいった。


「ドラゴン?」


「あれは……ユキじゃないか?」

「ええ間違いなく、ユキ様です」

「ユキ? それって、ラッテさんが言っていた相棒?」


「そうだ、何か急いでいる様だったな。領地に戻るぞ」

「うん、領地に戻ろう!」

「戻りましょう!」


 ローザン君からの手紙を持ち、私達は急いで領地に戻った。

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