第131話 第三章

 昨夜、寝る前にママとパパに「帰ったよ」と、他の人の国で出会ったサタ様の仲間もいると書いて、フクロウを飛ばした。


 それでだろう。


「エルバ、サタナス様、アールおかえり! 他のみんなもいるんだろ! もう昼だ、早く出てこい!」


「……パパ?」

「タクスか……」

「ふわぁ、元気ですね、パパさん」


 翌朝、パパの大声でみんなは目が覚めた。


 パワー様、ラッテさん、アビス君、ソーロ君の家族はまだ眠そうだ。そうだろう露天風呂の後、枕投げ大会が始まった……と言うより大乱闘大会だった。


「エルバ、寝る前に枕投げだ!」

 

「え――⁉︎」

「サタ様、枕投げいいですね」


「「枕投げ?」」


 興味を持ったみんなに説明して、可愛いアビス君の枕投げからはじまった。はじめはみんな枕を投げるだけだったのだけど――いつの間にかパワー様は魔法を使い、ラッテさんの小さな体から繰り出される豪速球――ソーロ君家族の狐火とまあ、凄かった。


「ヒィッ、こんなの無理無理……私は混ざれない!」

「大丈夫だ、エルバに防御の魔法をかけた」

「ボクが守りますので、混ざりましょう!」


「サタ様、アール君、わ、わかった」


 私はサタ様とアール君が魔法攻撃、豪速球、狐火から守ってくれたから軽傷で済んだのだけど……。


「ククク、余にケガを負わすとはなかなかだな」

「きゃっ、パワー様! アビのお尻に当てないでよ」

「拙者の腕がなるでござる」


「父さんと母さんは離れて、兄! タルとメロを守るぞ!」


(ヒィ――――!! みんなの目の色が変わった⁉︎)


 サタ様とアール君が隣で楽しんでいるのがわかるし、みんなはケガをしてもお構いなしで……枕投げを続行した。


(枕の投げ合いっこが……猛獣達の戦い!!!)


 その中で唯一の癒し、アビス君はラッテさんの豪速球を受け止めれたが「行くよぉ~」と投げる姿は可愛らしい。ソーロ君達、黒キツネ兄弟は可愛かった。



 しばらくして


「アビ、限界!」

「余も、疲れた」

「そうでござるな」


「ま、守った……」

 

 枕投げをはじめて3時間くらい経った頃かな? みんなはボロボロになったベッドに、力尽きて倒れるようにして眠ってしまったので。サタ様とアール君とで布団をかけてから、私たちも眠った。


 


「んん~アビ、昨日の枕投げ楽しかった。エルバちゃん、ボク、露天風呂に入ってきてもいい?」


「どうぞ、みんなも入りたかったら好きに入ってね。私はパパに会ってくる」

 

「うむ。ワタシも行こう」

「ボクもいきます」


「行ってらっしゃい」と、まだ眠そうなパワー様とソーロ君家族はベッドで二度寝、ラッテさんとアビス君はお風呂に向かっていった。


 


 私はサタ様、アール君とでテントの外に出ると、パパは入り口の近くで、両手に大きな鉄の板をもって待っていた。

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