第130話 第二章の最終話

「「なっ⁉︎」」


 みんなは不思議そうに小さなテントに入っていく、私もその後について入り、目の前のベッドに驚いていた。

 私が自分で、ベッドを11個想像したけど……真っ白な空間に大きなベッドが、それも横並びに11個ってヤバい!!


「ククク、これは中々に面白い!」

「はい、面白いです」

「この魔力、余達が使うものと違うな」


 サタ様とアール君は慣れているから笑っているが、パワー様浜力の違いに気付き、みんなはポカンとした表情をていた。


「ベッドは1人一つずつあるから、自由に使って」


「「いいの!」」


 黒キツネのソーロ君と、ソーロ君の兄妹は思いっきりベッドに飛び乗ると。それに釣られてアビ君とラッテさんも飛び乗った。


「兄、フカフカベッド気持ちいい」

「にぃ、フカフカ」

「うん、タル、メロ、フカフカだね」

「ソーロばかり楽しむな! 俺も混ぜろ!」


 ソーロ君は家族とじゃれ合っている。

 黒モコモコのじゃれあい……いい。


「アビ、このフカフカ好き」

「とても良いでござる」


「喜んでもらえてよかった。この奥に露天風呂があるから、入りたい人から入ってね。その横にはトイレね」


 簡単な説明だけして、ベッドに横になろうとしたが。


「エルバ、露天風呂はどう入るのだ?」

「露天風呂の入り方? あ、みんなに一度見てもらおう」


 ベッドから降り「私の後について来て」と、みんなを露天風呂に案内した。

 

 奥に進むと湯けむりが見え、岩に囲まれた乳白色の露天風呂が見えてきた。露天風呂の手前でみんなに好きな場所で服を脱いで、浸かる前に木の桶でお湯をかけてから浸かると伝えたが……アビス君以外のみんなは服を着ていない。


 みんな、モフモフ、モコモコだった。

 


「ワタシはあとで入る、みんなは気にせず入ってくれ」


 サタ様の声でアビス君、パワー様、ラッテさんが先に露天風呂にはいって次にソーロ君家族。サタ様とアール君、最後に私に決まった。




 私達が領地に戻り、露天風呂を楽しんでいる頃。

 アルクスの王都にある冒険者ギルドに、他のギルドから連絡が入っていた。

 

 その連絡は――SS級イノシシ型モンスター、カマロ大森林のSS級のネズミ型モンスター、コーサックの森のS級キツネ型のモンスター、 SS休憩の蜂型モンスターが相次いで消えたと、マーレ港街の冒険者ギルドから連絡が入った。


 マーレ港街と言えばクラーケンが暴れ、討伐されたばかり。いや討伐と言ってもクラーケンがいきなり苦しみ、消えたと報告を受けている。


「またアウドラムのときと同じか? あの3人組はいたのか?」


『ギルド長がおっしゃっていた3人組は――カサロの大森林に向かう姿を見たと言っていた冒険者はおりました。その後、マーレ港街で買い物をする姿を見た者もおりましたが、そのあとは分かりません』


「そうか、3人組はマーレの港街にもいたのか……引き続き、3人組の情報が入ったら伝えてくれ」


『わかりました』


 ふうっ。最近、昔からいるSS級からS級のモンスターがこぞって姿を消した。今回姿を消えたモンスターは、他の森に住むモンスター達とは違い。こちらから襲わなければ、襲ってこないモンスターばかり。


「マズイな。人々を襲う、凶暴なモンスターばかりが残った……」


 あの3人組を見つけて、もう一度話を聞かなくてはならない。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る