第125話

「出来た解毒薬を、ソーロ君家族に飲ませに行こう!」


 みんなでソーロ君の洞窟に戻り、アビス君にもらったハチミツで作った、出来ばかりの解毒薬を飲ませた。彼らの体が緑色に光り、ソーロ君達の高熱は徐々に下がっていった。


「よかった、解毒薬が効いたみたい」


 ありがとう、博士。


〈私はヒントを言っただけ。そこから解毒薬を作り、今回も頑張ったのはエルバ様ですよ~〉


 それでもありがとう、博士。

 博士がいるから、心強い。


〈また何かありましたら、お呼びください〉


「よかった。一晩眠れば治りそうだな」

「はい、その様ですね」

「ソーロ達にアビの蜜が効いて、よかった」

「アビス、そう泣くな。しかし、これで一安心だな」


 ホッとしたらお腹が空いてきた、ソーロ君達はもう安心みたいなので!


「サタ様、アール君、パワー様、アビス君! 外に出て、ご飯にしよう!」


「「おう!」」




 先程、マーレ港街で買った生魚、干物とご飯、貝のスープにする! サタ様にダマスカスナイフを渡して、生魚を何匹か捌いてもらって。私とアール君は石を並べてカマドの準備。

 

 アビス君とパワー様は――アビス君が魔法都市サングリア付近に造っている、領地に引っ越すと言ったので、必要な荷物を取りに向かった。


「お腹ペコペコだから、コメは3合炊きのラージメスティンで炊こう」


 いつもの様にエルバの畑からコメ草を収穫して、コメを取り出して、ラージメスティンに準備してカマドで炊く。

 

「アール君、薪の火をつけて」

「かしこまりました」


 次は干物を焼くので、カマドの間スペースに網をひき。

 干物が焼ける間に、エルバの畑から収穫したダイドイコンおろしを作り。大アサリみたいな貝のお吸い物も作った。


「エルバ、魚を捌いたぞ」

「ありがとう」


 綺麗に血抜きと、氷でシメてあった。これならお刺身で食べるけど……今日は塩を振って網で塩焼きに。魚の焼けるお肉と違う匂いにお腹は限界。


 それは私だけじゃなく、みんなもみたいでカマドの周りに座り、干物と焼き魚が焼き上がる姿を凝視していた。


「エルバ、まだか?」

「この香りたまりません」

「アビ、初めての香り」

「余も早く食べたい」


 疲れたからと戻った黒モコ鳥、黒モフ猫、美人の人外(ハチ)ロングの黒髪で、黒いローブを着たイケメン? ……誰?


「パワー! 人型に戻るとはずるいぞ!」

「余はこの姿にならないと、食べれぬ!」


 丸い透明な玉入り、小タコだと何も食べれないというパワー様に、なら仕方がないとサタ様は納得した。


 そこに。


「城主! 拙者も仲間に入れてくだされ」


 大鷲に乗って、ネズミよりも大きなのラッテさんが空から現れた。

 

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