第124話


 「はいはーい! 今から解毒薬を作ります!」


 ソーロ君達が苦しんでいる、早く解毒薬を作って治す!


「アビス君、ハチミツを少し分けてください」

「いいよ。でも、アビのハチミツは貴重だけど……ソーロ君の家族が倒れたのは、アビのせいだから遠慮なく使って!」

 

「ありがとアビス君、使わせてもらうね」

「うん!」


 可愛い笑顔を浮かべた後――トコトコっと屋根と壁のない家? の木の箱から、アビス君は瓶に詰めた、真っ白なハチミツを取り出し渡してくれた。これは見てわかる、いつものハチミツとは違う、魔力が込められていて、どくどくな甘い香り……これは希少なハチミツだ!


「おお! 懐かしいな。アビスの蜜……よく盗んだな」

 

「ハハ、アビスは建築の才能がないからな、どこからでも侵入可能だ。その蜜は酒に入れて飲むと特に旨くなる」


「むっ! アビは建築才能あります! この家だってアビ1人で作りました!」


 ……アビス君、屋根と壁を忘れてるけど。やっぱり、これ、家だったんだ。


「だが、入り放題だぞ」

「サタナスの言う通り」


「2人とも言い過ぎ! アビだって、魔力が高い人しか入れないように結界を張ってる……入り放題なのは、サタ様達が強いからです!」


 プンプン、頬を赤くして起こるアビス君。


「そうですね。アビスは家全体に魔力の結界を張っていますが……使い方がなっていなくて、弱いです」


「え? そうなの?」


「アビスは魔力が高いくせに、好きなこと以外は面倒だと手を抜いたからです……魔界学校のときからずっとです」


 魔界学校? 新しい言葉がアール君から出た!

 えっと、壺にコルチとフラン、ハチミツを入れて。


「懐かしいな、2人は同級生だったかな?」

 

「はい、アビスとは腐れ縁です。寮も、クラスも一緒だったのでお互いのことは……なんでも知っています」


「うんうん知ってるね。アビの初恋だとか、アールの初恋、2人で……」


「アビス、その話はストップ! それは男同士の話です、今はエルバ様がいますのでおやめください」


「おおっと。これは、エルバちゃんに聞かす話じゃないか。フフ」


 うわっ、その話……気になるやつだけど。絶対に教えてもらえない話!


 まあ、みんなで楽しそうに話をしている間。

 私は「レッツ、調合!」と陽気な博士と話しながら、エルバの畑を開き調合室押して、まだまだボロ壺に材料入れて振ってましたけどね。


〈エルバ様、リズムに合わせて~ガンバレ!〉


 ガンバる!

 

 50回くらいは失敗しましたけど、調合レベル20だからか、魔力が切れる前に解毒薬できましたよ!

 

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