第105話
アイテムボックスと繋がるマジックバッグを漁り、冒険者ギルドで買った地図を出して、マーレ港街を探した。マーレ港街はカマロ大森林を超えた先、東海岸沿いにあるようだ。
「エルバ、アール、王都の冒険者ギルドでクエストを受けて行くか」
「そうですね。このカマロ大森林あたりで、討伐のクエストがありそうです」
サタ様とアール君はカサロ大森林に、興味を持ったみたい。その大森林でコーブラの様な手応えのある、大型の魔物と戦えると思ったのだろう。
「いいけど、パワー様だっけ? そのクラーケンに会いに、マーレ港街にはすぐ行かないの?」
サタ様とアール君にクラーケンを詳しく教えてもらったら、大型のタコの魔物だった。それにマーレ港街だから……夕飯はお魚だと思って、お魚の口になったんだけど。
「すぐに行かなくてもいいだろう。パワーは人を傷付け無いとわかっている。約500年前、ワタシと闘い、交わした約束だからな」
「はい。3日3晩の寝ずの魔法での闘い――迫力があり、最終的に2人とも魔力切れ……今思い出しても感動的なものでした」
「あの闘いは、かなり面白かった」
ウンウンと、同時を思い出して頷く2人。
それで……2人は血が疼き、魔物討伐がしたくなったのか。まあ、キキさんの話で港街に、被害は出ていないみたいだし。私だって、カサロ大森林で探索したい。
「それじゃ、冒険者ギルドでクエストを探そう!」
「おう! よし、行くか!」
「えぇ、行きましょう!」
みんなの意見がまとまり、王都のギルドに行こうとした。あっ、と、私はキキさんに伝えておきたい事があった。
それは。
「あのねキキさん、モサモサ君が学園を卒業した後。私の領地のシンボルツリーにならない?」
「シンボルツリー?」
魔法都市の近くにパパ達が造っている、領地予定の更地を見て、中央にキキさんがやどるキバナの木を植えたいと。その花の下に敷物を引いて、みんなでお花見弁当を食べながら、花見がしたいと思ったんだ。
詳しく、キキさんに領地の話をした。
「まあ、エルバちゃんの領地? 面白そうな話ね。いつになるかわからないけど……グルナが独り立ちをしたら、その時にお願いしたいわ」
「やった! その時がきたらよろしくお願いします。と言っても、1ヶ月後に解毒剤を届けにくるけどね」
「フフ、そうね」
またね。と手を振って、私達は王都の冒険者ギルドへと移動した。
❀
王都のギルドは中央通りより、離れた西寄りにあった。ギルドに着いて驚く……建物も大きく、マサンの冒険者ギルドより冒険者たち賑わっている。
大きな盾を持つガタイのいい冒険者、立派な鎧と剣を待つ剣士、魔石が付いた杖を持つ魔法使い、女性の冒険者も多い。
サタ様とアール君は「行くぞ」と近くの木陰で人型になると。他の冒険者に混ざって、ギルドボードに張り付いていた。
けど……2人とも鎧を着けてい服装で、見た目が小柄だからか目立ってる。周りの冒険者にジロジロみられてるけど、2人は気にしていないからいいっか。
「私も採取のクエストを探そうっと」
採取クエストが貼られているボードを覗いた。そこで、カルア草の採取クエストを見つけた。このカルア草とは毒草だ。
へぇ、冒険者ギルドでは毒草採取のクエストもあるのか。どれどれ、このクエストを依頼した人は誰かな? んー、クエストの紙には、クエスト内容以外は書かれていない。
(受け付けで聞いても、秘密厳守だとか言って教えてくれないかな?)
でも一応、受け付けて聞こうっと。
私はこのカルア草の採取と、コロ草のクエストの紙を剥がした。
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