第101話
手作りカッテージチーズを食べた、サタ様とアール君。
口に出さずともわかる、めちゃくちゃ美味しいのだろう。
「エルバ、これがチーズか……これも、また美味い!」
「はい、とても美味しいです」
「よかった、ピザに乗せて焼いてみよう!」
私の作ったピザをスキレットに乗せ、出来立てのカッテージチーズを散らして、カマドにかけた。手作りのカッテージチーズは美味しいけど。ちょっと塩を足したほうがいいかな? 次作るとき、塩をひとつまみ入れるのもいいかも。
このまま食べるなら蜂蜜、ジャムをかけてレアチーズ風のデザート。サラダ、クラッカーに乗せてもいいかな。
クク、バターとチーズが作れるなんて最高だ。
「みんな、カッテージチーズ乗せ、ピザが焼けたよ!」
「「おお、いただきます!」」
「いただきます」
「楽しみだ!」
「楽しみです」
パパ達はチーズの味に驚いている。
フッ、また魔法都市サングリアに新しい味が増えた。研究者達に火がついて、新しいチーズが出来ちゃうかも。
❀
私の考えは大当たり!
「ご馳走様でした、エルバ様。今日はこれで失礼します」
鬼人さんがチーズの作り方を聞いて、瞬足で帰っていった。それはドロシアさん、エバァさんもだ。
「ふうっ、みんなに火がついたな。エルバが作ったチーズは簡単に作れて、なにより美味すぎる」
「パパ達が喜んでくれて嬉しい。作った、カッテージチーズはパンに練り込んで焼くのもいいし。ハンバーガーに挟んでもいい、色々使えるね」
「ハハハッ! うちの娘はまったく凄い! ママに教えたら……『エルバのカッテージチーズ』になるな」
ママなら、やりかねない。
みんな帰ってしまったので、今日はうちに戻って、明日また集まって領地の話をすることにした。帰る前にアウドラム家族にはキャンプマット、ワイルドポポーのゲンさんにはラグを。彼らの体が休めるくらいの大きさにして、フカフカも増して貸した。
そして、お腹すかない様にエダマメマメ、コメ草、トーモロコシをたんまり収穫した。
魔法都市の家に戻ると、ママが玄関で待っていてくれた。
「エルバ、おかえり」
「ママ、ただいま! パパも、ただいま」
「エルバ、おかえり」
ただいま、と言ったら。
おかえり、と帰ってくる。
嬉しい!
あたりまえの事だけど。
前世、一人暮らしをしていたときは「ただいま」と「おかえり」を、1人で言っていたのを思い出した。
ママにも、ピザとカッテージチーズの話をして、残っていたカッテージチーズにリリンゴのジャムを添えた。一口食べたママは瞳をキラキラさせる。
気に入ってくれたみたいと思ったら……作り方を聞いてきた。
「ピザに乗せても美味かったが。リリンゴのジャムを乗せると、このチーズはデザートにもなるのか」
「甘くて美味しい。僕、気に入りました」
サタ様とアール君、チーズをかなり気に入ったみたい。
「私は……甘いのはあまり好きじゃないが、これはさっぱりしていて美味い」
「ヌヌも好きだよ~」
領地予定地でへそ天で日向ぼっこをして、ズッと寝ていたヌヌも気に入ってくれた。
❀
次の日、領地予定地に集まって話し合って。
食事が出来る集合場所、ピザ釜、カマド、穀物庫、ヌヌの小屋、アウドラム家族とゲンさんの雨除けの小屋を、パパたちに建ててもらうことにした。
私達が冒険に出るまえ、半年分のエダマメマメとコメ草、トーモロコシを収穫した。
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