第40話 とある出会い(1)〜7年前の絆〜
誕プレを人の為に買う。
それも女性の為になんて.....アイツならどう思うだろうか。
アイツってのは当然だが泉の事だ。
きっとこう言うだろうなって思うな。
『翼が?選べるの?』
とか.....だ。
俺は考えながら手を繋ぎつつウィンドウショッピングを楽しむ。
真帆は目の前のショップを見ながら、可愛いねぇ、とか。
綺麗だね、とか言いながら俺を見つつ歩く。
「真帆はこういう飾られているのでどんなのが好きなんだ?」
「私は和風が好きだよ。.....お淑やかな感じかな」
「.....意外だな。派手なものが好きかと思ったが」
「うん。まあそう言われるし、ブランドものでしょ結局は、とか言われるけど。そういうものは興味がないなぁ」
「.....そうなんだな。それは良い趣味だと思うな」
和装がね好きなんだ。
例えば.....浴衣とか和服とか本格的なのが好きなんだ。
よくある和服もどきじゃなくて.....あれ浴衣だよね、と突っ込みたくなるけど、と困惑する真帆。
ああ.....テレビで紹介されているあの和装か。
確かにあれは浴衣だよなただの。
「帯とか違うんだよ?着方もそうだけど。色々とね。本格的な和装は」
「.....そうだな。.....大正時代まで遡ったら色んな人に教えてもらえそうだが.....今はそういう本格的なものを教えてくれる店はあるのだろうか」
「それは探さないとね。.....私.....翼くんとデートしたいし。花火デート」
「そ、そうか.....」
「うん。ちゃんとした髪型。ちゃんとした和装で行くから楽しみにね」
でも何で浴衣を正式な和装って言うのか.....謎だよねぇ、と顎に手を添える真帆。
俺はその姿を見ながら、だな、と返事をする。
確かにテレビはたまに浅はかに調べたものを話題にすることがある。
そして謝罪しているよな。
何だろうかあれ。
「.....夏休み.....楽しみだね」
「.....そうだな。お前と一緒に思い出を沢山作りたいな」
「そだね。一緒に思い出を沢山作ろうね」
「.....真帆。有難うな。俺と出会ってくれて」
「.....今更だね?どうしたの?」
何か今は感謝したいのかもしれないな。
俺は考えながら、お前と出会って幸せと思っている。人生が変わったんだ、と切り出してみる。
すると真帆は、うん。私も、と笑顔になる。
そして立ち上がりながら俺の手をまた握ってから。
そのまま笑顔を見せる。
「私は本当に幸せ者だね。こうして.....君と接せれるから」
「有難う。そう言ってくれて」
「.....さっき.....何を考えていたの?そういえば」
「.....ああ。泉が俺だったら誕プレを選ぶのがヘタクソだからって言いそうだな、って考えてた」
「ああ。成程ね。.....でも翼くんはセンスあるけどな?」
「いやあ。アイツは厳しいからな。多分.....センス無いって言うと思う」
言いながら俺達は歩き出す。
それから横の店の連なっている部分の道を歩く。
ここら辺は飲食とかがあるんだな。
そして.....奥には買い物出来る場所か、と思う。
「クレープ美味しそうだね」
「それは確かにな。.....上手そうな模型が置いてあるしな」
「食べるとするなら1個かな」
「.....それは互いに食うって事か?恥ずかしいぞ」
「うん。翼くんとなら問題無し」
いやいやあるだろ。
思いながら俺は苦笑いを浮かべながら真帆を見る。
そして飲食の周りを巡る。
クレープ、タピオカ、芋のラテ。
そんなものが沢山ある。
「お芋のラテって今有名だよね」
「.....そうなのか?」
「白玉とかタピオカに次ぐものってされているの」
「.....ああ。成程な。つまり第3の存在って事か」
「そうそう。芋の威力って半端じゃ無いらしいからね」
「確かにな。腹に溜まりやすそうだな」
だから一緒に飲まない?、と聞いてくる真帆を見る。
俺はその姿に、だな、と笑みを浮かべる。
そしてラテのお店に向かう。
すると、カップル様ですか?、と聞いてくる。
俺は、はい?、と聞くと。
「今ならキスをしてもらうと.....1杯無料で利用出来ます」
「え.....あ。そうなんですね」
「じゃあしよっか」
「.....え!?でも人がみ.....」
そこまで言ってから。
そのまま真帆にキスをされる。
俺は真っ赤になりながら、おま!?、と思ったが。
まあいっか、と思いつつそのままラテを受け取った。
1杯が無料になったラテを、だ。
「真帆さん。恥ずかしいんですけど」
「私は何も恥ずかしくないよ?」
「いや.....」
オイオイ、と思うが。
俺の彼女は大胆ね!、と考える。
でもあまり見せたくない。
考えながら俺は、飲んでから言うか、と考えた。
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