第36話 その鐘は鳴る為にある

球技大会はどんどん進んで行く。

ランキングとして俺達は2位まで上がった。

まあ何というか.....色々あった。

衝撃な事があったな、と。


俺は電光掲示板を見ながら.....そう考える。

その中で俺はドッジボールを真剣にする。

真帆が応援してくれているから有難い。

やる気が満ちる感じだ.....うん。


「はーっはっは!!!!!お前一人だけになったな.....!」


「.....まさか俺だけになるとは.....」


そんな感じで俺は別の他クラスと対峙していた。

困ったな.....オイ。

俺は額に手を添えながら周りの外野を見る。

外野は期待する眼差しで俺を見ていた。

俺はその姿を見ながら苦笑いで.....残り3人の向かいを見る。


「残ったのは3人だ!」


「纏めて倒せぇ!!!!!」


「ヒャッハー!」


いやお前ら.....他人事だと思ってないか?

また俺は額に手を添えながら見る。

残っているのは部活動をしている奴らだぞ。

運動部だぞお前。


「あのヒョロい奴を倒せば終わりだな」


「そうだな」


「よし」


3人は筋肉ムキムキのマッチョだ。

身長も俺と10センチぐらい違うのだが。

ったく面倒臭いな、と思って見ていると.....マッチョAが俺に、あ!コイツもしかして進藤さんと付き合っている奴じゃないか!?、と切り出した。

何、と思いながら青ざめて見ていると。

みるみるファイヤー状態に燃え上がった3人。


「童貞にゃキツい野郎って訳だな」


「そうだなぁ.....」


「フルボッコにしてやんぞハゲ」


そんな言葉を切り出し始める3マッチョ。

また余計な事を。

女子が、頑張れー!、と大声。

俺は冷や汗を流しながら真帆の居る方向を見る。

真帆は祈る様に俺を見ていた。


「.....仕方が無いな。アイツもそうだけど。水亀もそうだが.....やるしかねぇよな!!!!!」


俺は立ち向かう為に拳を握った。

それから、うぉおおお!!!!!、と言いながら立ち向かう。

だがスリーマッチョにカウントされ。

あっさり敗北した。



「何やってんだよお前!山口!」


「そうだぞ山口!」


「山口県かお前は!」


お前ら.....という奴は。

ボールで撃沈していた俺に向かっての言葉である。

俺は考えながら外野を見る。

そして1人の男子生徒が立ち上がらせてくれた。


それは水亀だ。

俺は!と思いながら水亀を見る。

水亀は、大丈夫、と小さく聞いてくる。


「ああ。すまないな。水亀」


「.....うん」


そんな言葉を受けながら。

俺は水亀を見る。

そし電光掲示板を見るが3位に転落した。


ついでもってもう直ぐ試合終了だ。

終わり。

つまり俺の願いは叶わず、だった。


「.....良かったか。水亀。すまない」


「うん。全然平気。.....大丈夫だよ」


水亀もましてや富義も告白が出来なかった、という事だ。

やらかしたな。

最後の最後に勝ちたかったな、と思う。

そうしていると富義がやって来た。

保健室から戻って来た様だ。


「すまん。富義。勝てんかったわ」


「別に構わない。.....良いじゃないか。3位には入ったのだから」


「そうなのかねぇ」


「そうだな。俺としてはこのクラスはよく頑張ったと思う」


そんな会話をしていると、翼くん、と声がした。

顔を上げると真帆がニコッとして立っている。

俺はその真帆に、どうした?、と聞くと。

真帆は、格好良かった、と赤面で言ってきた。


「.....そうか?格好悪かった様な気がするが」


「いや。試合はどうであっても君はいつでも格好良いから」


「.....そうか?」


「うん」


そして話していると。

『皆さん!集会をしますので集まって下さい!』と声がした。

俺達は顔を見合わせてからそのまま集合する。

それから大会委員長のカノンさんが顔を見せる。

マイクを持っている。


『皆。よく頑張ったな』


「「「「「ウィース!!!!!」」」」」


そんなカノンさんに対しての陽キャの挨拶の感じで授賞式が始まる。

俺はカノンさんを見ながら体操座りをしていた。

すると順位が発表されていき。

俺達の組は3位の受賞となった。

アウチ!、と思いながら俺は目を><な風にする。


『皆。本日はお疲れ様だった!』


「「「「「オーイェス!!!!!」」」」」


返事が鬱陶しいが。

カノンさんは笑みを浮かべながら周りを見渡す。

そして先生達を見たカノンさん。


俺は?を浮かべながらカノンさんを見る。

それからカノンさんは、それで、だ、と切り出す。

私はこの場でちょっと言いたい事がある、とも。

え?何だ、と思って見る。

周りもザワザワし始める感じだ。


『私事ですまないが。自身のクラスがランキングで1位になったら告白しようと思った。とある男子に』


「.....?!」


「え.....それ?」


「は!?」


ますます学年中が大騒ぎになる。

俺も愕然としながらカノンさんを見る。

カノンさんの個人の話が始まった事に衝撃なのだが。

それから水亀の方を見るカノンさん。

そして頬を赤くする。


『私と付き合ってくれないか。.....水亀アキラくん』


「「「「「.....は!!!!?」」」」」


水亀は、え!?、と周りを見渡して目を大きく見開く。

周りも衝撃に衝撃を受けて一気に水亀に注目が集まった。

それから水亀に対して、紹介だ。私の幼い頃から好きな男性だ、とカノンさんは自己紹介の様にサラッと紹介する。

何ぃ!!!!!、と思いっきり愕然とする周り。


「ど、どういう事だ!?」


と声を出してから富義を見る。

富義は笑みを浮かべて俺を見ていた。

分かりきっている様なそんな感じで.....って言うか!

よく許したな!?先生達が!


「はっはっは。俺が猪熊先生に、カノンさんに直々に頼み込んだのさ。山口」


「.....マジで?」


「俺の提案なら受け入れてくれるだろうと思ってな。それが正解だった。.....だからこそこれは実現した」


「.....お前なぁ.....それは良いけど水亀が真面目の本格的に困っているぞ」


そんな当の水亀はマジに真っ赤になりがら、うそ、と言っている。

その水亀にカノンさんが近付いて行く。

そして水亀の手を握った。

それからマイクを持ったまま笑みを浮かべて見る。

柔和な笑みを。


『どうかな。アキラ』


「.....かの.....んさん?」


『カノンで良いよ。.....アキラ。愛してる』


マイクを手に持ったまま。

そして赤くなりながら水亀を何とこれまた大胆に抱き締めるカノンさん。

水亀は耳まで茹蛸の様になって完全麻痺している。

俺達は、マジかよ.....、と見ながら愕然とする。

やれやれ富義め。


「時間が無くなるぞ。富義。どうすんだ」


「良いじゃないか。暫くは眺めていれば」


「いや良くねぇだろ。.....ったく」


そしてそのまま俺達学年と。

俺と富義は暫くその2人の光景を見ていた。

甘々な感じの幸せそうな2人だが。

良いのかこれは.....?

学校側が許すとは.....。

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