第3話 追って来たマネージャー
そもそも俺はそんなモテるとかそんな感じの人物では無い。
イケメンと言えばイケメンだが。
フツメンなので、だ。
その筈なのだが.....何故かモテ期が到来した様だ。
真帆という1000年に一度の美少女に好かれてしまったのである。
「美味しい」
「そう言ってくれるんですね!幸せです!」
「.....何だか懐かしい味がするよ」
「そうだな。コイツがめっちゃ張り切っていたしな。美味しかろうよ」
俺はそう言いながら目の前のシャリアピンステーキを見る。
マジに作ってしまいやがった。
俺は苦笑いを浮かべながらその料理達を食っていたが。
メチャクチャに美味しい。
流石に料理上手な奴が更に料理を作ると美味しいな.....。
「っていうか何で親子丼とステーキなのよ」
「それはまあ.....どっちも手間が掛かるしね」
「.....」
「何?お兄ちゃん。もしかして俺にはそんな手間の掛かったものは食わせてもらってないって?そんな事無いけど?」
「いや。俺は何も言ってないんだが?」
まあ確かに手抜きをしているかもね、と笑顔を浮かべる花梨。
この野郎、と思いながら見ていると。
でも仲が良い兄妹だね、と言ってくる真帆。
俺は、まあそうだな、と花梨と顔を見合わせて言う。
「花梨は結構.....人懐っこい女の子だからな」
「まあ確かにね。だから仲が良いんです」
「.....そうなんだ。羨ましいね」
「エヘヘ。嬉しいです」
「.....私も.....好きな人と何か一緒になりたいね」
「と言いながらこっちを見るのは止めてくれ」
まあ確かにそうなんだけどさ。
思いながら俺は赤面で真帆を見る。
真帆も柔和な感じで俺を見る。
何だか恥ずかしいもんだな.....。
そうしていると電話が掛かってきた。
それは.....真帆の携帯に、だ。
「.....」
すると真帆の顔が途端に眉を顰める様な顔になった。
それから、ゴメンね。電話してくるね、と席を立ってから。
そのまま去って行く。
俺達は?を浮かべてその姿を見ながら見送る。
「どうしたんだろう?」
「.....分からないな」
そんな感じで俺達は食事を止めていたが。
そのまま食べ始める。
その5分後に真帆が戻って来た。
俺は真帆を見る。
真帆は笑みを浮かべずに唇を噛んでいたが。
次の瞬間にパァッと笑顔になる。
「エヘヘ。みんなゴメンなさいね」
「あ、ああ」
「マホマホちゃん。どうしたんですか?」
「プロデューサーだよ。.....私のね。マネージャーも。.....しつこいんだよね。戻って来いって。結局は金目当てだと思うけど」
「.....!」
その言葉に俺は顎に手を添える。
そうなのか、と思いながら。
そして見ていると真帆は、あ。気にしないでね、と笑顔を浮かべる。
そう言われて気にしないでってのは無理があるよな.....。
「でもマホマホちゃんが気にしないでって言ってるしね」
「.....まあそうだな.....」
「そうそう。気にしないでね」
だがその様な感じで言うが。
真帆は眉を顰めたまま直ってなかったがそれをハッとして直した。
俺はその姿を心配げに見る。
真帆も大変なんだな、と思いながら。
それから見ていると。
「.....私ね。.....マネージャーが嫌いなの」
「.....マネージャーが嫌いなのか?」
「うん。.....私は.....貴方に会いに行くって言ったら止めた。そして私が何かやろうとして求めてくるしね」
「.....そうか」
「大嫌い」
だから脱退も考えているんだ、と笑顔を浮かべる真帆。
よく分からないが大変なんだなアイドルってのは。
考えているとインターフォンが鳴った。
何だ今日は来客が多いな。
「.....?.....何だコイツ?」
インターフォンを覗くと。
グラサンの女がスーツ姿で居た。
マネージャーっぽいんだが。
考えながら俺は、真帆。隠れた方がいいんじゃ無いか、と言う。
真帆は、任せても良いかな、と苦笑する。
「.....マホマホの為なら」
「そうだな。嫌がっているのに連れて行くのは論理に欠ける」
「.....有難う。2人共」
そして真帆を俺の部屋に隠して。
そのままドアを開けると。
初めまして。大手緑陽プロダクションマネージャーの金水智子(かねみずともこ)と言います、と言ってくる目の前の女。
俺達は、はあ、と言いながら俺達は名刺を受け取る。
「早速で申し訳ありません。この場所に進藤真帆さんが居ませんか」
「.....居ませんね。帰りましたよ」
「.....そうですね」
「それは本当ですね?嘘を吐くのは宜しく無いですよ」
グラサンを外しながら睨んでくる金水。
俺は、しつこいな。居ないって言ってんだろ、と言う。
不愉快な感じだなこういう奴は嫌いだ。
考えながら言う。
「私達の家に来る分無いじゃないですか。有名なアイドルが」
「.....そうですか。それは失礼致しました。また後日ですが日を改めて確認して参ります」
「.....」
いやまた来るのかよ。
俺は考えながら不愉快な気持ちで見ていると。
金水は俺たちを睨みながらそのまま車で去って行った。
家に入られるかと思ったが。
流石に常識があった様だ。
「.....絶対に渡さないもん。ベー!!!!!」
「これは不愉快だな確かに」
「.....お兄ちゃん。何とかしよう」
「まあそれは半ばは無理があるけどな」
そんな感じで会話をしながら俺達は頷き合った。
それから俺は自室に向かう。
床に座っている真帆を見てみる。
真帆は困惑した様な顔をしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます