第211話 問題だらけだった・2

同業者の女性陣達から変なやっかみは極力避けたいなぁと思っているとその考えを真っ向から否定する意見がアルドラさんから出た。


「.....リンが何を考えてるのかはよくわかるけとど、前提として貴女自身が普通にランクが上だって理解しているのかしら?」

「え?冒険者ランクの事なら確かにAランク級にはなりましたけど.....」


必死にエルフの国で依頼を受けたり試験を受けたりして頑張ってAランクまでは上げられた。S級は簡単にはなれないのでまぁ急いでる訳じゃないしエルフの国に引きこもり中の今の段階では当然無理だろう。


「そうではなくて!.....貴女、自分の容姿がエルフ並みに美少女だってこと理解してるの?」

「......え?.....あ~……」


そう言えば創造神メダ様の恩恵でそれなりに美少女に転生させてくれてたんだっけ。普段あまり自分の美醜に拘りがないから気にしてなかったけど15歳になった今だと確かに客観的に見ても私って美少女の部類に入るわ。


.....自画自賛じゃないよ?


だからぶっちゃけ師匠やカノープスさん達の側に立ってても見劣りはしない筈。


「.....でも人とエルフさん達の美的感覚って微妙に違いますし、大人な女の冒険者さん達から見たら私みたいなのが横に居たら邪魔に思っても仕方ないんじゃないですかね?」


良い男は自分のモノにしたいって思う女性冒険者は多そうだ。肉食系だもんね!勿論私は今も昔も肉食系とは違うけど。


「.....まぁ確かにそれはそうなんだけど。でもリンなら確かにやられたらやり返しそうだから大丈夫かも知れないわね。それに兄さんは絶対に相手にしなさそうだわ。カノープスは知らないけど」

「嫌だなぁアルドラ。僕にだって選ぶ権利はあるからね。顔が良くてお金があるなら誰でも良いなんて女性を相手にする訳ないだろ」


カノープスさんが心外だとでも言うように笑みを浮かべ、師匠は呆れたように溜め息をついただけだった。


カノープスさんの言う事も一理はあるけどその中に本気で2人の事を好きな人も居るかもしれないか全部が全部、否定するのもどうかなって思うけど....。まぁ私的には巻き込まれなければそれで良いです。


「取り敢えず宮廷魔導師団を辞める辞めないはともかく、さっさと戻ってクソ女の件を片付けてくる。流石に今回の件で陛下も納得してくれるだろう」

「しなかったら?」

「.....俺はもう知らない。すぐに宮廷魔導師団を辞める」

「マジか」

「.....それぐらい本気で怒ってるって事だな。そう言う姿勢を見せないといつまで立っても物事は解決しないからな」


じゃあな、と言って早々にその場から転移魔法を使って消えたカノープスさんに残された私達はどこまで本気なんだろう?と言う意見で一致したのだった。




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