第206話 コントロールは難しい
冒険者ギルドの地下にある訓練所で貸し切りにした時間いっぱいを使って杖を使って魔法の訓練を初めてしたけど、正直時間が足りなくて思うようには出来なかったと言うのが私個人的な意見。
結界が張ってあるとはいえ結局屋内には変わりがないから何となく思いっきりは出来ないし、無意識に魔力をセーブしてしまうみたいで大技は出してみる事も出来ないし、まず師匠とカノープスさんからも今回は大技は無しだと注意されたからギルドの訓練所の結界では多分私の大規模な魔法には耐えられないのだと思う。
まぁ、広範囲の大規模魔法に関してはどこで訓練をするかカノープスさんが検討してるみたいなのでそれを待つしかないかな?
と、言う訳で最近の魔法の修行に関しては専ら杖を使った魔法をいかに魔力をコントロール出来るかの訓練だった。これなら結界が張られていない外でも訓練する事が出来るかららしい。勿論大規模な魔法の使用は不可だけどね。
「.....うーん.....魔力のコントロールって意外と難しいんだよねぇ....」
魔力を思いっきり出すのは簡単なんだけど微妙なコントロールが必要になる威力を限定した魔法は魔力が多ければ多い程、その威力の調整が難しくなる。何故ならほんの少し魔力を多く加えてしまうとそのいは半端なく大きくなってしまうから。
まぁ手先の器用な日本人だった私なんだから、出来ない筈はないんだけど。そもそも魔力や魔法を使うとか日本では有り得なかったから物だから感覚的になってしまうんだよね。
凄く適当感がただよう感じで.....。
「あ!また少し多すぎた」
放った風魔法が少し先にある木の枝をスパンと音を立てて切り裂いていった。ちなみにその木の下には私が切り落とした枝が彼方此方に散らばっている。
「カノープスさんが言うには感覚的な物だから一度成功したら次からは出来るからって言われたけど.....まずその一回が出来ないんだけどね!?」
私的にはかなり押さえた魔力を出してるつもりなんだけどなぁ……。
「.....さっきがこれだけだったから.....じゃあこれはどうだ!?」
さっきよりもほんの少しだけ少なめに魔力を杖に込めて風魔法を打てば今度は少なくしすぎたのか枝を折るには至らなかった。
「.....うん、半端なく魔法って難しいわ」
「まぁねぇ.....本当は魔法を習いたての小さな子供のうちから先ずは魔力のコントロールを習うんだけど、リンはそれをしていないんだろう?高位魔法が使えるようになってから魔法の威力を押さえる癖を付けるのは大変だからなぁ……俺でもやらないな」
「カノープスさん!師匠との話は終わったんですか?」
いつの間にやら私の背後から訓練の様子を見ていたカノープスさんがあまりの出来なさに見かねて声を出してきたようだった。
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