第202話 杖・2
私の中で杖と言えばやっぱり某アニメの魔法少女シリーズだろうか?
当然リアルタイルで視聴していた訳じゃないけど、昨今ネット配信でお金さえ払えば幾らでも視れる環境だったから当然私も月額登録してましたとも。
.....まぁ死ぬ前後の数年は忙しくて月額登録してたのに中々ゆっくり視れる時間は取れなかったのが残念だったけど....そう言えばあれ、ちゃんと解約しててくれてるのかなぁ?なんて心配になってきたんだけど.....。
っと、今はそれは関係ないか。そもそも私にはもうどうする事も出来ないんだしねー。
「ん~……それよりも杖だよねぇ。杖かぁ……どんなのが良いかなぁ?」
参考にカノープスさんが持っていた他の杖を見せて貰ったけど本当に多種多様な杖ばかりだった。まるで装飾品みたいな派手な杖だったり、本当に初心者用のシンプルな杖だったりと。宮廷魔導師達が年に数回魔法の実技訓練を王都の学院生向けにやってるそうで、その時用に何本か宮廷魔導師は常に杖をストックしてるんだそうだ。
でも、装飾品みたいな杖は何だかゴテゴテした感じが全面に出てて、これで本当に魔法使うの?って感じだったし、シンプルなのは逆にシンプル過ぎて自分の魔法の力を思いっきり奮えない感じがしてどちらもイマイチに思えた。
因みにどんな人が装飾品杖を使うのか聞いたら、基本的にあれは宮廷魔導師ではない、身形を気にする高位貴族家当主とかに多いらしいとカノープスさんが教えてくれた。
ようは実践に出ずに後ろでふんぞり返っている奴らなのだとか。だから本来の杖としての価値はほぼないのだそう。
「私としては使うなら普段使い出来る杖の方が良いから、装飾は極力なしかな。理想的なのはやっぱりカノープスさんが使ってる杖だよね」
あれは見た目シンプルながらも機能性は抜群で凄く良いと思う。
「.....でも全く同じ様な形だとつまらないしねぇ」
そうだなぁ......長さは手に持って軽く振れるぐらいの長さで、でもそれだとかなり細目な杖にしないといけないから、いっそアダマンタイトを下地に世界樹の枝を巻き付ける感じとかはどうだろう?
「.....つまり、アダマンタイトを世界樹の枝の中に仕込むって事か?」
何となく浮かんだイメージ画像を紙にスケッチをしてカノープスさんに見せてみる。
「仕込むと言うか埋め込むと言うか....。手に持って魔法を唱えるとなった場合、杖をいかに軽くするかが問題だとおもうんですよね。けれど細過ぎると今度は強度が落ちまる。だからその為のアダマンタイトです。そして.....」
そう言ってスケッチを指し示しながら順に説明をしていくとカノープスさんもフンフンと頷きつつ、変えた方が良いと思う部分に関しては教えてくれた。
そうして私の為の、私だけの杖がこの世界に誕生したのだった。
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