第129話 スタンピード・1
王都の冒険者ギルドの演習場には沢山の冒険者が居た。ソロであったり、パーティを組んでいたりと様々な人種にパーティ規模だ。
でも大体が4人から5人ぐらいのパーティが多いような気がする。
.....やっぱり役割分担的にそれぐらいの人数の方がやりやすいからかなぁ?
自分がパーティ活動ではなくソロで活動をしているからか、イマイチよくわからない。
「それでは今から今回のスタンピードの対策の概要を話す。合わせて各々の持ち場に別れて貰うので質問はその持ち場の責任担当者に聞いてくれ!」
おそらく王都の冒険者ギルドのギルマスだろうか?年の頃は50代ぐらいの茶髪で元気の良いおじ様な感じのイケオジだ。やっぱり王都の冒険者ギルドを纏めるにはそれぐらい歳を重ねた熟練者じゃないと駄目なんだろうなぁ....?うんうん。
「今回のスタンピードは王都から南に1日程下った先にある陸の迷宮、通称肉の迷宮で起こったようだ。先遣隊の王立騎士団が調査したところ、今現在迷宮から出ている魔獣の数は凡そ2万だ!これは過去の文献と実際に目視での照らし合わせの上の数の判断だ」
2万と聞いて冒険者達がざわつく。
.....え~っと....2万が多いのか少ないのかがわからなくてどう判断したら良いんだろうな?皆の様子を見てる限りでは余り良い状況ではなさそうだけど.....
「それだけの数の魔獣が現在王都の方角に向かっている。道中にある小さな町の住民は既に騎士団によって避難は完了しているが王立騎士団と宮廷魔導師団だけではその数の魔獣を相手にするのは当然厳しい。その上で全冒険者ギルドに緊急招集依頼が掛かった。現在国内に居るSランクは要塞都市ミルトンの冒険者ギルドのギルドマスターであるシリウスのみだ!シリウスには最前線で魔獣を討伐して貰う!!それからAランク、Bランクもだ!Cランクは後方支援になる。前線で取り零した魔獣を倒し、魔法に特化した者は支援魔法と攻撃魔法を頼む!!」
「「「はい!!」」」
冒険者達の元気な声が演習場に響く。
「リン」
「....ギルドマスターが最前線で闘うんですか?でもギルドマスターはどちらかと言えば弓特化ですよね?」
隣に立ち、見下ろしてくるギルドマスターを見上げると何故か苦笑して私を見ている。
え?違うの??でもエルフって基本的に弓を使ってたよね.....?
「確かにエルフは弓が得意だから弓特化の攻撃が多いが他の武器を使えない訳じゃないぞ?俺はどちらかと言えば弓ではなく剣特化だな。剣と魔法だ」
「.....マジか....え~……そんなの反則では??」
「何が反則だよ」
後半は聞こえないようにボソリと呟いた筈が聞こえていたようだ。
「まぁ俺が特別なだけだから、基本的にエルフは弓特化だよ」
「.....はぁ.....じゃあ私は後方支援ですか?」
王都のギルドマスターの指示に従うならだが。でも何となく他の事をやらされそうな気がする。
「王都のギルドのギルマス....オスカーさんの言う通りにするならそうなるんだが、出来ればお前には俺と一緒に前線について貰いたい」
まじっすかー......
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