第128話 王都へ

翌朝指定された時間より少し前に冒険者ギルドに向かえば、既に緊急依頼で王都へ向かう冒険者パーティや、ソロの高ランクの冒険者が集まっているようだった。


....私の知ってる人は居なさそう....?


おそらく別の依頼でこの街には居なかったのだろう。別の街にいる時に緊急依頼を聞いたら依頼が完了していた場合は今居る場所から緊急依頼先へと個別で向かうとギルドマスターからは聞いた。


それにしても....


見たところ、子供は私しか居ないのだろうか?凄く場違い感があるんですけど?

チラチラと此方を伺ってくる高ランク冒険者の視線がウザ....じゃなくて痛いんですが....?


「待たせたな、皆よく集まってくれた。これから転移陣で王都へと向かう!各々の配置は王都の冒険者ギルドのギルドマスターから指示があるからそれに従って貰うことになるから宜しく頼む。全員一緒には無理だから順番に転移陣へ入れ。向こうの転移陣から出たらその場で待機しておけよ!」


ギルドマスターが現れ指示を出すと順番に転移陣へと集まった冒険者パーティ達が転移陣へと入り姿が消えていく。


おおっ!何回か見たし、自分でも経験したけどこうやって端から見るとやっぱり不思議な感じがするよね~!


順々にその姿を消していき、当然最後に私が残った。勿論ギルドマスターから言われていたからだ。


「リン、待たせたな。行くぞ~」

「はい」


昨日ギルドマスターから転移陣で王都に行く際には最後に自分と一緒に行動するようにと言われていたので待っていたのだ。きっと私が集まった冒険者の中で最年少であるのと、最年少であるにも関わらずパーティを組まずソロで活動している事もあって考慮してくれているのだろう。


意外と過保護だよね、ギルドマスターって。



他のギルド職員から見れば特別過保護なのはリンちゃんだけだよ、って言いたいのだがギルドマスター自体無意識でやってる節があるので敢えて言わないギルド職員達であった。



転移陣にギルドマスターと乗ると一瞬後には王都へと着いていた。勿論そこには先に転移陣へと入った冒険者達も居る。周囲を見渡せばそこはどうやら冒険者ギルドの中らしく、ミルトンにもある演習場みたいな場所だった。


....王都の冒険者ギルドの演習場かなぁ?


「着いたな。ここは冒険者ギルドの地下にある演習場だリン」

「ああ、やっぱりそうなんですね。ミルトンのギルドの演習場に似てるなって思ってたんです」

「そうだな。大体のギルドの演習場は同じように作られてるからな」

「へぇ~……」


天井を見れば上まで防御結界が張られている。うん、演習場だから魔法で壊れないようにだよね。


「これから王都のギルマスから集まった冒険者達に指示がある。.....取り敢えずお前は俺に着いて来い」

「もしかして私は他の人達とは別行動になるんですか?」

「そうだ。その事も合わせて説明するからな」

「わかりました」


先を歩くギルドマスターに私は慌てて着いていった。








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