第111話 薬師の迷宮・4
今日は十階層で攻略は終了し、セーフティポイントに到着した私達は野営の準備に入る。テントは3つ用意した。
私とギルドマスター
カノープスさんとオリヴァーさん
ハルクさんとライネスさんとジェイクさん
のグループに別れて使うことになった。カノープスさんが私達のテントが良いとごねたんだけど、私が余り知らない人と同じテントはちょっと....とギルドマスターに言ったらカノープスさんを説得してくれたので本当に有り難かった。
だってカノープスさんと同じテントになったら絶対ゆっくり寝れそうにないんだもの。仕方ないよね!ギルドマスターはホワイトバードの狩りの時に野営してるから何とも思わないけど。
夕食は流石にこのメンバーが居る中で私の作った物を出す訳にはいかないので、事前にギルドマスターと相談した結果、普通のスープを作る事になった。極々簡単な塩スープだけど、その代わりに野菜を沢山入れた具沢山塩スープにしたので野菜の甘味が出ててそれなりに美味しく出来たのは良かった。あっと言う間に鍋が空になったので皆も満足してくれただろう。カノープスさん以外は美味しかったと言ってくれたけどね!
次の日は十一階層からのスタートで、十一階層部分は森だった。基本的に薬師の迷宮はその名の通り薬草に関するドロップアイテムが多い事から、迷宮の中自体が森や平原等の階層が多い。十階層までもそうだったから、恐らく十五階層までそうなのだろう。
「取り敢えず今日中には十五階層のボスにファーストアタックするぞ~」
「....昨日1日だけで十階層まで行けたんだし大丈夫じゃないですか?」
ギルドマスターが先頭を歩きながらラスボスまで行くと宣言したのでそう言ってみた。事実昨日より残りの階数は少ないのだから行けるだろうと思うんだけど.....。
「階数は少ないが出てくる魔獣が昨日より確実にランクが上の魔獣しか出てこないからなぁ.....戦闘に掛かる時間もそれだけ余計に掛かるだろう?」
ああ、そうか.....。
昨日は比較的弱い魔獣しか出なかったからサクサクと進めたのか.....確かに言われてみればそうだよね。魔獣が強くなれば強くなる程、1体倒すのが大変になるんだもんね。
「じゃあ今日は私も補助魔法掛けたら戦闘に加わりますね!」
「.....そうだなぁ.....いや、リンはボス戦に力を温存しておいてくれ」
「えー……私、昨日も補助魔法しか掛けてないんですよ?せっかく迷宮に来てるのに.....」
「悪いな。ボス戦はどんなイレギュラーがあるかわからないから、出来ればある程度力を温存しておいた方が良いんだよ。戦闘に参加しなくても、迷宮での行動のパターンとか習う事は沢山ある。リンもいずれ1人で迷宮に来る事もあるかもしれないからカノープスや騎士団メンバーから盗める技は盗んでおけば良い」
「.....わかりました」
こう言う風にふとした事から冒険者のいろはを教えてくれるギルドマスターには感謝しかないよね。
.....そっか、私もピンで冒険者やるって事は迷宮にもいつか1人で入る可能性があるのか....確かにここは盗める技は盗んでた方が賢い選択かもしれない。
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