第109話 薬師の迷宮・2
迷宮の一階フロアは流石に迷宮を攻略に来た冒険者の数もそれなりにあり、私達はその視線の中どんどん先に進んで行く。
まぁ目立つのも気になるのも仕方ないよねぇ.....私が逆の立場だったとしたら凄く気になるもんね。
薬師の迷宮の攻略経験者であるギルドマスターを先頭にその横に私とオリヴァーさんが、その後ろをカノープスさんとハルクさんで、最後尾にライネスさんとジェイクさんの順番で歩いていく。
今のところ特に魔獣が出る事もなく、スイスイと進んで行けるので予定よりは早く次の階層に到達するかもしれないなぁなんて考えていると背後からカノープスさんがギルドマスターに話し掛けてきた。
「シリウス、薬師の迷宮の魔獣の出現率はこんなに低いものなのか?」
「.....いや、普段はもう少し出ても良さげなんだがな....そうじゃなきゃ、迷宮に冒険者が入る意味がないだろう?」
「まぁそうだな。俺が昔入った迷宮でも一階層でもそれなりに魔獣は出てたな」
「.....だろう?まぁ今回は雑魚魔獣を狩る時間も惜しいから出なければ出ないで有り難いんじゃないか?」
ギルドマスターがそう言えばオリヴァーさん達も声は出さないが頷いていた。
ボス戦をどれだけやらないといけないかもわからないから、体力等温存出来るものは温存したいのだろう。
「.....それはそうなんだがな、何か原因でもあるのかと思ってな」
そう言ってカノープスさんはじーっと私の隣を見ている。
.....これは
『ねぇ、
こっそりと他の人には聞こえないように黎明へと話し掛ければ、少しだけ考えたように黎明は頷く。
『.....そうだなぁ....聖獣と言われてるぐらいだから多少は寄せ付けないようはなってるけど、完全には無理だな。現に山にだって魔獣は住んでるだろう?』
あ、確かにそうだった。
『弱い魔獣程、敏感に聖の力を感じて出てこないんじゃないか?だから迷宮の階数が増えれば嫌と言う程出てくるだろうな』
『.....それはそれで嫌かも.....』
面倒臭そうな予感しかしないんだけど??
でもまぁ戦闘は基本的にはオリヴァーさん達がメインで闘うと言ってたし、私は後方から支援する事になってるから.....大丈夫かな?
大丈夫なように戦闘前にはガッチリと支援魔法をかけよう!うん!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます