第105話 カノープスと王立騎士団

ダンジョンに行くと決まれば行動は素早かった。薬を待っている人達が沢山いるので早く素材が欲しいとの事で翌日には" 薬師の迷宮" へ向かう事になった。


同行者は宮廷魔導師のカノープスさんに王立騎士団の4人にギルドマスターと私の計7人だ。


要塞都市ミルトンまではカノープスさんが騎士団の人達と転移で来て私達と合流し、薬師の迷宮へと馬車で向かうことになった。


カノープスさんが薬師の迷宮の場所を知らないから転移では行けないそうだ。場所さえ知ってたらこの人数でも転移出来るって凄いよね?流石宮廷魔導師様だよね。私にはまだまだ無理だわ~。



そして翌日、冒険者ギルド前に集まったカノープスさんと王立騎士団の人達を見て冒険者ギルドに来た冒険者達がざわついている。勿論、冒険者だけじゃないけどね。


そうだよね~。王立騎士団なんて辺境地に居たら滅多に見る機会なんてないもんね。私も見るの初めてだもん。


王立騎士団の人達は聞いていた通り4人で、皆背が高くてイケメンの一見細マッチョ風だった。何?この世界、貴族はイケメンしか居ないの?

そんな馬鹿な。絶対脂ぎった太った悪徳貴族のオッサンとか居るよね?会いたいとは思わないけど.....。



ギルドマスターと一緒にカノープスさんへと近づくと騎士団メンバー達を紹介された。


騎士団メンバーは王立騎士団の副団長のオリヴァーさんに、騎士団員のハルクさん、ジェイクさん、ライネスさんと言うらしい。


オリヴァーさんが金髪碧眼、ハルクさんは茶髪緑眼、ジェイクさんは赤髪金目、ライネスさんは黒髪碧眼だ。うん、カラフルだよね~。まぁ私も銀髪に紫紺の瞳だから人の事は言えないけどね!


カノープスさんの方針なのか、流石に家の爵位は名乗らなかったけど雰囲気からすると、ある程度高位貴族の家系ではないかなと想像する。

本当私、高位貴族との遭遇率高くない??何かのフラグだったりするのかな?


「カノープス、薬師の迷宮へは馬車で良いんだよな?」

「迷宮へ入るのに馬は連れて行けないんだろ?」

「当たり前だ」


ギルドマスターが呆れた顔でカノープスさんに話し掛けながら近づく。


「馬車なら御者を連れて行けば、俺達が迷宮に入った後に一旦街に戻って貰い、指定した日に再度来て貰えるからな。」

「予定より早く見つかったらどうするんだ?」

「これがある」


ギルドマスターが取り出したのは鳥の形をした紙だった。


「ああ、伝達魔法を使うのか。成る程」

「そう言うことだ。これでギルドに連絡をして馬車に来て貰う事が出来る。逆に予定が遅れた場合にもこれなら対処出来るからな」


伝達魔法とな!そんなのがあるのかぁ~.....。迷宮攻略が終わったらギルドマスターに教えて貰おうかな?カノープスさんにも言えば教えて貰えそうだけど見返りがろくでもないこと言いそうなので即却下した。











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