第93話 華姫祭・1
街へ戻った私達はその足でギルドへと戻る為に街中を歩いていたのだが、数日前に街を出た時よりも何だが街の皆が浮かれているような気がするのは私の気のせいだろうか?
不思議に思っている私に
『恐らくあれではないか?』
「え?何々.....
私の目に飛び込んで来たのはデカデカとそう書かれたポスターだった。
「
マリッサさん....それって公開告白ですか?フラれたら目茶苦茶恥ずかしいヤツでは.....
「つまり伝統的な行事と言うよりもまぁ単なるお祭りって感じですか」
「ハッキリ言えばそうね。でも毎年王都からも観光に来る人が居るぐらい大人気のお祭りなのよ。だからその期間は警備も厳しくなるからリンちゃんも気を付けてね?」
え~……めんどくさいなぁ……
「そもそも何でそんな祭を始めたんですかね?」
「私が小さい頃に聞いた話ではたまたまこの地を訪れていた王女様に辺境伯家に連なる貴族の若君が街の中心部にあたる広場で振られるのを覚悟で大量の花を抱えてプロポーズしたら嘘みたいに上手くいったとか?それにあやかろうと公開プロポーズ大会を開くにあたってどうせなら領を挙げての祭にしようとなったらしいわ」
.....辺境伯家大丈夫なの??もしかしなくても今の辺境伯様の親族の誰かって事だよね?
「一応華姫に選ばれるのは独身女性が優先みたいで、相手がいない人程選ばれる可能性は高いそうよ?まぁとは言っても最近じゃ貴族様が裏から手を回して自分の娘が華姫に選ばれるように融通してると聞くわね..... 」
「それもう最低じゃないですか.....辺境伯様はご存知なんですか?」
そんな事はしなさそうな辺境伯様に見えたんだけどなぁ....人は見かけによらないって事かしらね?
「でも貴族の女の人が華姫に選ばれらるメリットってあるんですか?この街中を練り歩くだけだとメリットがあるようには見えませんけど.....」
「リンちゃんは鋭いわね~。この街の華姫に選ばれたら王都での華姫祭に華姫として招待されるのよねぇ.....王族とも謁見出来るそうだから上手く行けば貴族子女としては最高の相手が見つかるかもしれないでしょ?」
「.....確かに....」
それはあり得る話だとは思う。けど王族との謁見って高望みしすぎじゃないの?
いくら何でも王族はないわー……
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