第85話 黎明と街中を散策・1

今日は久々の休日モード。

昨日は辺境伯家でのあれやこれやらで体力よりも精神的にちょっと疲れた私はぐっすりと寝た。それはもう、寝たわ。


朝起きると、既にお昼前と言う.....。


まぁたまにはこんな日もあって良いと思うのよ!なので自主的に今日は休みにしたのだ。


パパッとブランチを済ませて外に出る。久々にショッピングに出掛けようかと思うのよね。


辺境伯家からの依頼達成報酬も出た事だし、少しぐらい買い食いとかしても良いと思う。頑張った自分へのご褒美よ!


『どこかに行くのか?』

「せっかくだからウインドーショッピングしようかと思って。黎明レイメイも行く?」

『ウインドーショッピング?』


聞きなれない言葉に黎明レイメイは不思議そうな表情を見せる。


「要はお買い物の事よ。買うかどうかはわからないけど色んなお店を見てまわって、気に入った物があれば買うのよ。黎明レイメイも欲しいのがあったら買っても良いわよ?」

『ふむ....だが私が欲しいと思うようなモノが人の店にあるのか?』

「そんなの行ってみないとわからないわよ。もしかしたらすっごく好みの味の食べ物があるかもしれないでしょ?」



なーんて言ってた時間もありました。はい。


最初は私に仕方なく着いて来てる感を出していたのにいつの間にか私よりも人間の住む街や店に興味津々で積極的に店にも私を入らせようとする黎明レイメイの姿がここにある。


まぁずっと人の来ない山にひとりで居たなら人間の住む場所に興味を持っても仕方ないよね。


『リン!あれは何だ!?』


まるで子供みたいにはしゃぐ姿に笑みを浮かべる。ふと自分のお腹が小さくクゥと鳴く音がする。流石に朝と昼と兼用で食べてきたとは言え、あれから何も食べてないならお腹も空くよねと思う。


目の前にちょうど肉まんのようなお肉をパンに挟んだ食べ物の屋台があったので2つ買ってベンチのある広場まで歩く。

食べ物の屋台が広がるこの場所には広場があり、買った物を食べられるようにと椅子が設置されているのだ。


『それは何だ?食べ物か?』

「うん。パンの中に少し辛めに炒めたお肉が入ってるんだけど....黎明レイメイは食べれる?」

『....肉か?肉は私は食べない....と言うか食べられないな』

「それは聖獣だから?」

『そうだな。基本的に私達は魔力を取り込むのが糧になる....ただ全く食べない訳ではなく、野菜や果物なんかは食べれるかな?』


つまり草食動物と言うことかな?



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