第64話 Dランクになりました!
帰りの行程も道中何事もなく無事に街道を進み、ようやくシーダーの街から要塞都市ミルトンへと戻って来た私達はロベルトさんと挨拶を交わしその足で冒険者ギルドへと向かった。
「皆さんお帰りなさい!お疲れ様でした」
マリッサさんから笑顔で労りの言葉を貰い、帰って来たんだなぁと実感する。そんなに長い間街を離れていた訳ではないのにそう思ってしまうなんて、それだけ自分が自分で思うよりもこの街を気に入っているからなんだろうなぁと気づく。
「依頼達成の手続きが完了しました。此方が"蒼天の牙"に対する報酬になりますので確認をお願いします」
アレンが代表して報酬の確認をして受けとるとマリッサさんは今度は私に視線を向けた。
「此方がリンちゃんへの報酬です。そしてDランクへの昇格おめでとうございます!」
そう言って渡されたギルドカードは今までの鉄製から銅製へと変わっていた。
「「おめでとうリンちゃん!」」
「「「 おめでとう! 」」」
アレンさん達 "蒼天の牙" の皆も喜んでくれる中、新しくなったギルドカードを両手で持ちじっと見ると、じわじわと嬉しさが込み上げてくる。
この異世界で自分で一から頑張って頑張った結果が目の前にあるカードだ。まだまだ初心者ランクたけど目に見える結果はやはり嬉しいものだ。
「ありがとうございます」
笑顔でお礼を言えばマリッサさん達も嬉しそうな顔をする。
「そうだ!これからリンちゃんのDランク昇格のお祝いをしない?どうせ夕飯もこれからだしね」
アイラさんがそう言い出せば皆が賛成してくれて
その日は蒼天の牙の皆から盛大に祝われたのだった。
次の日は流石に少し寝坊してしまった。大丈夫だと自分では思っていたが、やっぱり慣れない護衛依頼で気を張っていたのかもしれない。まぁ私の場合依頼内容にこだわりが有るわけでもないので、ランクが上がったとしても今まで通りのペースで冒険者活動はしていくつもりだ。
でもどうせならAランクまでは目指してみたいわよね~……
やるならテッペン目指してみたい気もするけどこのペースで上がったらSランクなんて何年掛かる事やら.....。
ま、気楽に活動してそれで上がって行くのが一番負担にならなくて楽しみながら出来るか。社畜みたいなブラック活動を自らする必要はないんだしね!
この異世界で楽しみながら生きていくのが目標よね。取り敢えずは今日は1日休日にしてゆっくり休んでまた明日から冒険者活動を頑張りますかね
そんな事を考えながら、シーダーの街で購入してきた苦豆と専用の機械を無限収納から取り出し、豆を挽いている間にお湯を沸かす。
ロベルトさんから聞いた手順通り作っていくと久々のコーヒーの香りが部屋に広がる。
「ん~!良い匂い」
淹れたてのコーヒーと本を手にしてクッションに座り込み、久しぶりの休日を満喫するのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます