第63話 シーダーの街・5

3人で夕食を済ませた後は部屋でお茶をし、さながら女子会と言った感じで会話が盛り上っていた。


アイラさんとアレンさんは実は幼馴染みで実家の家が隣同士だったそうで2人して冒険者になりたくて切磋琢磨して頑張って来たのだそう。実はアイラさんの方が1歳歳上なんだとか。だから弟みたいで恋愛感情は一切ないそうで、よくアレン絡みで女性冒険者から絡まれて返り討ちにしてるとか。セーラさん達はそんな2人と依頼で知り合い意気投合してパーティを組んだとの事。


その他2人の今までの恋愛遍歴など、私の今の年齢的に聞き役に徹してたけどこの世界の恋愛観も日本の恋愛観とそう違いは無さそうだと感じた。



次の日から私はシーダーの街を一通り巡っていく。武器屋等に入る必要は今の所はないので専ら生活用品に関係するお店ばかりだ。


日本の食材に近いもの以外にもこの世界独自の食材もあり、お店のおばさんやおじさんに話を聞きながら購入していった。残念ながら、この街は海に面した場所がない為魚介類等を仕入れる事は出来なかった。要塞都市ミルトンも海がない為に魚介類は一切販売されていない。これはやっぱり保存方法がないからみたい。冷凍庫がないこの世界では遠方から遠方への配送に適していないのだろう。どこかで仕入れられる街を探したい所存。1度現地に行けば次からは転移でいつでも行けるようになる。こっそり必死に転移魔法を覚えたよ!


こうして買い物三昧な日々は過ぎ、ミルトンへと帰る日が来た。うん、あっと言う間に過ぎたよね。宿からハーマル商会は近いので朝はゆっくりと皆で食事を取ってから宿を後にし、商会へと向かった。


既にロベルトさんや従業員さん達が馬車に荷物を積み込んでいて着々と出発する時間が迫ってくる。


護衛に関しては行きと同じ立ち位置でそれぞれ警護をする事にした。多分これがベストポジションだと私も思うから。基本的前から出てくる魔獣が多いから一番先頭に攻撃力が高い者が居れば真っ先に倒す事が出来るし、後方から魔法で支援する事も出来る。まぁ適材適所だね、うんうん。


シーダーの街はミルトンの街よりかなり小さい街だけど街中は凄く綺麗だし、小ぢんまりだけど洗練された街と言う感じで。やっぱり領主である辺境伯家がそれだけ素晴らしい統治をしているって事なんだろうか。メントスの街もそれなりに良かったしね.....。他の領地と領主を知らないから比較は出来ないけど....。1度王都や他の領地に行ってみるのもありかなー?



気がつけばいつの間にか荷物の確認と警護の最終確認を終えていて、私達は要塞都市ミルトンを目指して出立したのだった。




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