第22話 食堂にて
食堂に向かうと朝と同じようにサラサが声を掛けてきてくれ席に案内してくれる。
「リンさん、いらっしゃい!夜は酒場にもなってるからおつまみ系の料理が多いんだけど、メニューはこれよ」
そう言って一枚物のメニューを手渡してくれる。ざっと見た感じ、確かに居酒屋風なメニューが多い。この世界では日本まではとはいかないけれど結構食文化は進んでいるようで安心する。ただやっぱりお米系はないみたいなんだよね......。やっぱり日本人としては米文化を発展させたいので機会があればお米を探してみたい。
「オススメメニューとかありますか?」
「そうね~オススメと言うか、日替わりで出してる定食はあるわ。今日は肉団子のシチューよ。拳大の肉団子に野菜たっぷりの熱々シチューをかけてあるの。それにパンとサラダが付いてるわ」
「へぇ~!それは美味しそうですね。じゃあそれにします!」
パンとサラダは基本的に付いてるものみたいね。この世界のパンは菓子パンみたいな物じゃなく少し堅めのハード系のパンだ。きっとシチューには凄く合うだろう。
楽しみだなぁ~と待っている間に周囲を見渡してこっそり鑑定してみると、今この食堂にいるのは平均して50~60代ぐらいの男性の冒険者が多くレベルもそれなりに高い人が多かった。所謂熟練の冒険者って感じかしら。勿論中には微妙な人も居たけど。
そう言えば私の今のステータスってどうなってるんだろ?
自分のステータスの現状が気になりステータスを開ける。勿論これは他人からは見えない。
名前:リン
年齢:10歳
レベル:5
魔法: 全属性( 火 水 風 地 光 闇 時 )
HP: 1750/1800
MP: ∞
無限収納(時間停止機能付き)
鑑定(レベルMAX)
言語理解
精神異常耐性/身体異常耐性
創造神メダの加護
......うん、微妙に何だか増えてるし!!?
それにレベルも5になってる。これはあれかな?ゴブリン倒したからレベルが上がったのかな。
それ以外は諸々のスキルから大抵の事では体調面で今後心配する事はないとステータスからも理解できた。
......取り敢えずの目標としてはもう少しレベルを上げたいところよね。オークとか狩れば一気にレベル上がるかしら......?いやその前に大騒ぎになるわね、確実に。
「お待たせしました~!熱いので気を付けて食べてね!」
「はい。ありがとうございます」
考え込んでいると注文したオススメ日替わりメニューが出来てきたので慌ててステータス画面を消す。
熱いと言われるだけあって出来立て熱々の湯気がホカホカと美味しそうな匂いと共に立ち上ってくる。
「いただきます」
「あら?なぁに、それは」
この世界ではどうやら「いただきます」はないらしい。
「これは私の住んでいたところで、食事をする前にする挨拶みたいなものです」
「へぇ~。そんなものがあるのね。でも良いかもね」
サラサさんは不思議そうにしながらも高評価のよう。
考える事は多々あるけど今は目の前のご飯を食べることに集中かな。
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