第17話 ゴブリン集団
ポポ草とルル草の採取の採取に夢中になり、籠一杯に集めた時には既に陽は真上まで昇りきっており少し遅めの昼食にすることにし、森の大きな木で木陰になっている場所を見つけて座りこみ無限収納からパンとここに来る前に買ったフランクフルトモドキを取り出し挟んで食べ始めた。
「うん、おいし~」
なんちゃってホットドッグだ。マスタードとケチャップが無いのが残念でならない。フランクフルトモドキはとんかつソースのようなドロッとしたタレがついているのでパンとの相性は悪くはないが。
でもソースはあるのにケチャップとマスタードはないのね。1度、調味料の売ってるお店を覗いてみようかな?なければ近いもので自作出来るかもしれないしねぇ......
日本人だった時、実は私は料理が得意だった。結婚を控えてたのも理由のひとつだけど、元々料理は好きで一人暮らしをしてた時は余程忙しい時以外はずっと自炊していたぐらいで。一時期なんて料理にハマりすぎて色んなジャンルを網羅していた程だ。
なので材料さえ手に入れば何とかなると思っている。
いずれ冒険者のレベルが上がったら依頼で夜営とかする事もあるかもしれないし!
「ん?」
ふと背後にある森の中から複数の微かな魔力を感じて振り返るが目で見える範囲に異常は見られない。
私は採取した薬草の入った籠を無限収納に入れ、ゆっくりと森に視線を向けたまま後ずさる。感じる魔力は人らしきものと魔物らしきもの。
「.....もしかして討伐に失敗して逃げてきたとか?」
けどこの森自体が低ランクの魔物しか出ず初心者冒険者にオススメだと言われているのにその魔物から逃げるとは?
余程実力を勘違いした初心者冒険者なのかしら?そうじゃなきゃ普通低ランクの魔物相手に逃げないわよね?
状況がいまいち良くわからずじっと森の入り口から視線を外さずにじっと見ていると、バサバサっと音を立てて少年少女達の冒険者パーティが飛び出してきた。そしてその後ろにはゴブリン達がいた。
「うわ~……本当に人に似た姿をしてるのね......」
それは限りなく人に近いものでそれでも人とは違う。
「あ!おい、逃げろお前!!」
「逃げて!!」
先頭を走っていた少年とその後ろの少年少女達4人組が私に気がついて慌てて叫んでくるが、このまま逃げてどうするつもりなのか?見た感じ私と同じぐらいの年齢だろう。予想した通り、依頼で森に来たは良いが討伐に失敗して逃げてきたのだろう。確かに駄目だと思ったら逃げる事も大事だと思う。自分の命を守る事が第一条件だから。
でもじゃあ、そのゴブリンどうするつもりよ?
結局自分の実力を過信して依頼を受けた結果だと言うことを彼らは知らなくてはいけないと思うわ。
逃げる彼らが私を越えたところで、間近に迫るゴブリン達に私は問答無用で風魔法を放った。
「ウィンドカッター」
風魔法は物の見事に5匹のゴブリン達の頭を一瞬で切り落として絶命させた。
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