第16話 薬草採取
薬草採取の為に南門から出て近くの草原地帯へと向かう。その側には規模が小さいが森があり、冒険者初心者でも倒せる程の弱い魔物しか出ない為、採取系の依頼をこなすには適した場所なので私のような冒険者成り立ての新人には人気の採取場所だった。
ちなみにこの情報は創造神メダから貰ったマニュアルに書いてあった内容で、実は私には1度見た本の内容は全て記憶されると言うチートがあった。「読んだ」ではなく「見た」。つまり、読まずにページを捲っていくだけで本の内容が頭の中に記憶されていくので、後は必要な時にその記憶を呼び出すだけで色んな情報が活用できるのだ。
もはや何でもアリだよね、と思わず笑ってしまいそうになる。まぁでもこの世界の事を何ひとつ知らない私にとっては言語理解と等しく凄く有難いチート能力だったりする。私でなくても欲しい能力かも知れないけど。
「さてと、ポポ草とルル草だったよね」
ちなみにポポ草は腹痛の薬に使われる薬草で茶色の細長い葉っぱで、ルル草は解熱薬に使われる薬草で緑色の葉っぱがギザギザしている少し特徴のある薬草になる。比較的このふたつの生育条件は特になく、どこにでも生える薬草であり、見つけやすいというのも初心者には有難い薬草のひとつであった。
「あ、あった!」
複数株纏まって生えているポポ草を見つけしゃがみこみ1株ずつゆっくりと採取していく。
こう言った地道な作業も実は嫌いじゃなかったりするのよね~……ほんの少し前までは急な仕事や破談の後始末だったりで旅行やオタク活動に行く余裕もなかったりしたけど。
「今じゃこの生活がリアルオタ生活みたいなものよね」
あのクソ馬鹿男とクソ女の仕出かした事が結果的にこの生活をもたらしたと考えたら微妙に複雑だけど......!!
この世界では絶対にあの2人みたいな奴には深く関わらないわ!絶対にっ!!
さっきみたいな事があれば迷わず潰すか冒険者ギルドに押し付けてやるわ。冒険者同士の争いに基本的には冒険者ギルドは不介入とは言え、介入せざるおえないような状況にもっていけば嫌でも対応してくれるだろう。うふふふ。
「ルル草みっけ」
そう心に誓いながら初めての依頼をこなすべく無心で採取に勤しむ。無限収納から籠を取り出し採取した薬草を10本ずつ束にして入れていく。最初は慣れない作業に手間取ったが数をこなせば慣れてきて逆に楽しくなり、予想以上の数のポポ草とルル草を集めた事に気がついたのは籠が山盛りになった時だった。
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