第18話 少年少女冒険者パーティ

ゴブリン達を風魔法で倒した私は討伐証明に耳を切る。


うわ~気持ち悪い~......でも討伐した証明を持っていかないとお金にはならないもんねぇ~……って言うか依頼受けてない私が持って行っても何とかしてくれるのかしら?


そんな事を思いながらも今度は土魔法で穴を堀りゴブリン達を埋める作業を始める。そのままにしておいて血の匂いで他の魔物が寄ってこないようにする為に。その間、逃げてきた少年少女の冒険者パーティはじっと私の方を見ている。


「何か用?」


じっと見てくるから仕方なく此方から声を掛けて見るが反応はない。


も~何なのよ、この子達......一体何がしたいんだろう


溜め息をついてからゴブリンを埋める作業へと戻る。大きな穴を掘ったから全部纏めて埋めても大丈夫!そして埋め終わった後、ようやくパーティの一人の女の子が恐る恐る話し掛けてきた。


「あ、あの......ごめんなさい!」


漸く話す気になったのは良いがそれがさっき逃げる時に私に逃げろと言った内の1人だけだと言うのはどうなのか。この子達、本当に自分達が何したかわかってる?


「......それは何に対しての謝罪なの?」

「え......?」


謝罪してきた女の子は何を言われたのかわからないと言う表情をしている。


「だから、何が悪かったかわかってて謝罪してるのか聞いてるのよ」


自分達の行動の何が悪かったか理解せずにただ口先だけの謝罪なら意味がない。また彼女達は同じ事を今後も繰り返すだけだろう。


「おい、ルーチェが謝ってるのにその態度は.....!」

「そ、そうよ!」


後ろで黙り込んでた仲間の少年少女が私の態度に怒りだし、ルーチェと呼ばれた謝罪してきた少女はそんな私達をオロオロと見返すだけ。そんな彼らを私は無表情で見つめ返し、本当に何も理解していないのだな、と溜め息をつく。


「謝罪はいらないわ。理解していない人から謝罪を受けても無意味だもの」

「......で、でも」

「この事はギルドにきっちりと報告させて貰うわ」


ギルドにこういった事に対する罰則的な物があるのかは知らないけど、今後暫くは実力に見合わない討伐系の依頼は受けさせて貰えなくなる可能性はあるわよね。でもそれも自分達の今の力量を過信した自己責任だわ。


「な!そんな....っ!!」

「当たり前の事でしょ。それとも何?私に黙っておけって言いたいの?」

「そ、そうだ!お前が黙っておけば......」

「本気でそう思うのなら今すぐ冒険者を辞めなさい。もしここに居たのが私じゃなく戦う力のない小さい子供なら死んでいたかもしれないのよ?その可能性も考えられないなら貴方達、冒険者には向いてないわ」


私はそれだけを言うともう彼らを振り返る事なく街に向かって歩きだす。彼らもそんな私にそれ以上何も言って来る事はなかった。





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