第4話 神様からの手紙

無限収納に入っていた創造神メダからの手紙。

手紙には現在の私の状況への経緯が書かれていた。


ひとつ、本来ならまだまだ死ぬ筈ではなかった私を地球の神様がミスで死なせてしまった事。


ふたつ、そのまま秋津鈴として生き返らせる事が不可能だったので、地球の神様の知人でもあった自分の世界で転生させた事。


みっつ、勝手に死なせて転生させたお詫びに能力マシマシにしてみたよ、との事


よっつ、無限収納にこれからこの世界で生きていく上での必須事項が記載された本や物資を纏めておいたよ!


そして最後に、


『この世界は君が大好きな魔法と冒険の世界でもある。君のこれからの寿命は間違いなく永いので、この世界を存分に楽しんで欲しい。もし、どうしても困った事や相談したいことがあれば教会に来て祈りを捧げれば私とコンタクトが取れるようにしてあるよ』


そう綴られていた。


「......至れり尽くせりすぎない?ん?」


思わずそう呟けば手紙の行数が増えた。


『地球では大人だったけれど、今の君は見た目は10才の子供に過ぎない。どうしようもない時もある可能性は皆無ではない。所謂保険だとでも思えば良いからね』


って、どっかから覗いてんのかーいっ!


まぁ確かに神様の言う事には一理あるのでその時は存分に頼りにさせて頂こう。


手紙を綺麗に畳んで無限収納へと仕舞い、代わりに地図を取り出す。手紙によれば現在私がいるこの場所はグレイス王国と言う国にある迷わしの森と言う処らしい。

何故迷わしの森かと言うと、入れば迷って出てこれなくなる森だかららしい。


おい!


何故そんな森に届けたかと言えば、逆に誰も入ってこれないから安全だったからだそうだ。

基本的に人を惑わしているのは精霊達だそうで、私には創造神の加護があるから効かないそうだ。


だからと言っていつまでも森の中に居るわけにもいかないので地図で、ここから一番近い街を探す。


「えーっと、ここが今いる森で太陽の位置がいまここだからぁ.....方向はこうかな?」


森を出て東に向かった所に少し大きめの街があるようだ。


「要塞都市ミルトン......要塞都市ってなんだかなぁ......あ、この先が隣国になるから辺境都市って事かな?」


地図を確認すれば大まかにこの世界には4つの大国に小国が連なるように複数あるようだ。

詳しい世界情勢は追々本で確認すれば良いだろう。


今自分の居る場所がどれぐらい森の中なのかはわからないが暗くなるまでには街に着きたい。


「......いや待てよ......せめて街で暮らす為の一般常識ぐらいは必要かな?」


おそらく創造神はこの森の中のこの場所が一番安全性に優れていたからこの場所に放り込んだのだろう。

幸いにしてキャンプ用の道具一式も食糧も無限収納の中にある。

なら今日は1日ここで生活マニュアルを熟読した方が良いかも知れない。

きっと日本とはお金の価値もルールも何もかも違うだろう。


何事も知らないよりは知っている方がスムーズに事が運ぶこともある。


「よし、じゃあ今日はここでソロキャンプ決定」


何をするかが決まれば次の行動は早い。キャンプに必要そうな道具一式を取り出し、ついでにセキュリティに良さげな道具も見つけ出し、明日からの異世界生活に夢を膨らませ夜を過ごすのだった。



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