第3話 無限収納の中には

「......よし」


この人生を楽しむと決めたからには、まずは現状確認が大事よね。

そう思って更にじっくりとステータスを確認する。


「魔法が使えるのよね?しかも全属性って盛り過ぎじゃない?いやそれよりも問題は使い方だよね」


魔法なんてない使えない世界から来たのだから当然この世界の魔法の使い方なんて知るよしもない。


「あ、そう言えば」


見ればステータスに無限収納とある。しかも時間停止機能付きときた。


「これってば異世界転生特典につきもののやつよね!生き物以外は何でも入るし、ご飯も熱々出来立てで保存出来ちゃう優れもの!」


まるでどこかの家電量販店の店員さんや某テレホンショッピングみたいな言い回しだ。


「......多分これだよね、何か入ってないかな?」


躊躇なく腰に巻かれていたウエストポーチを開け、手を突っ込んでみる。

ちなみに今の私の格好は白のブラウスにベージュの膝丈くらいのキュロットにショートブーツな、シンプルな出で立ちのようだ。


そして、あら不思議。手を突っ込めば頭の中にポーチの中身一覧が表示された。


「これはまた至れり尽くせりね......」


逆に此方が恐縮してしまうぐらいの量の物資が入れられていた。


まず着替え一式が数点。当然上から下まで全て揃っている。パンツスタイルからスカートまである。

後はタオルなんかの日用雑貨品一式。


次に食糧。米やパン、肉に野菜。調味料まであった。時間停止機能付きなので腐る心配も当然ない。


今まで読んだ異世界転生モノでは大抵主人公が前世の知識で調味料や食べ物なんかを前世の知識を利用して開発するパターンが多かったけど、この世界ではどうなんだろう?調味料が入ってるって事は全くこの世界にないって事はない筈。


この世界に全くないものを私が使ってたら多かれ少なかれ、後々街中で暮らすようになれば問題も出てくるだろうしね......。


「でもお米があるのは嬉しい!やっぱり日本人の主食はお米だよね!いやパンも美味しいけど」


そしてポーションとマナポーションが数本ずつ。

ポーションが薄い緑色で、マナポーションが薄い紫色の瓶に入った液体だ。


これが一番テンションが上がったよね。異世界にしかない品物なんだもん。いずれは自分でも作ってみたい代物だ。


作れるかな~、作れたら良いよね~。


最後に本と手紙が入っていた。


本はこの世界の基本的な知識が書かれている初級編と、魔法の使い方が書かれている入門編、薬草類全般の図鑑の3冊だ。


手紙は......何と創造神メダからだった。






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