第18話
ピンクと茶色のツートン髪の少女は、大きくため息をつく。
「じゃぁ、やっぱり迷い込んだんじゃない!」
ボクの話を聞いて少女は、悲鳴に似た叫びを無線の向こうに投げかける。
「うるさいなぁ」
返答は無線からその声は聞こえてこなかった。廊下の先、コツコツと靴の音。「そっち向かってるって言ったんだから、着くまで叫ばなくても大丈夫だよ」と面倒そうに、そして眠たそうに半眼の美少年が歩いてきた。印象的なのはその髪、丁度半分が真っ白なのだ。手には長物の銃。
「はぁ?うるさいなぁじゃないでしょうが。分かってますか、ここは戦場なんです、一般人がいちゃいけないことぐらい貴方でも分かりますよね?喧嘩します?一回、喧嘩しときます?」
「はっはーん、その早口、……一般人に発砲したか何かな?」
「……違うし」
違いません、威嚇射撃をされました。と、口を挟もうなら撃ち殺されかねない形相で此方を睨んでくるピンク茶色。
「あなた、一般人ですか?そうには見えないですけど」
「一般人でしょうが、どう観ても」とピンク茶色が呆れたように言う。
「うーん、なんかこう、違うんだよな」
「捕食者のカンって奴ですか?」
「あ、もしかして馬鹿にしてる?」「してるよ!そりゃそうだろ」と、白黒とピンク茶色の漫才を眺めながら、どうやらどこかに迷い込んだのか、と実感のないまま窓の外をみると影が迫ってくる。
大きな影は、校舎にぶつかってボクもろとも押しつぶした。
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