第4話

 友人はいつも静かだった。

 出会ったのは幼稚園。話したのは年長組。

 喧嘩したのは小学生。それからずっと友人だ。

 ただ幼なじみというには、お互いのことをあまり知らない。好きな食べ物、好きな芸能人、嫌いな科目、そんなことばかりは知っているのに。

 親同士が仲がいいというわけではないから、家族ぐるみのつき合いがなかったせいだろうか。

 それとも友人は限りなく朝型で、ボクは中途半端な夜型の人間だったからだろうか。

 中途半端というのを説明すると、一般と同じように朝起きる。で、夕方の16、17時から睡魔に襲われ、3、4時間の睡眠。で、そこから朝まで起きている。で、2、3時間寝る。

 心配した親に連れられて病院に行ったが健康体そのものお墨付きをいただいて、結局、「そういう」サイクルなのだと判ってもらえた。

 校舎屋上のベンチで青い空を眺めていたら、心配した友人は隣に座り、ボクの話を聞いてくれた。

 打ち明けると、「おもしろい」と研究対象の様な視線をくれた。

 そうだ、此奴はこういう奴だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る