第18話
いつもの帰り道、私は田中君の事を考えていた。
若さって凄いなと感じる。
『これから居酒屋でバイトなんです』そう言って彼は帰っていった。
話を聞くとどうしても買いたいものがあって、でも、どんなに働いても手に入らないんです。
そう、彼は言っていた。
若いから買いたいものがあっても使っちゃうのかな?
一体何が欲しいんだろう。
『彼女はいません』なんて言ってたけど本当かな格好いいのにもったいない。
私だったら・・・・・・何を考えてるんだろう私。
自然に歩くスピードが速くなる。
私だったら放っておかないのに。
歳が近かったら。
同じ高校だったら。
結婚していなかったら。
考えたくもないことが頭の中でよぎる。
彼の笑顔が見たい。
ふと、そう思った。
会って一日しかたっていないはずなのに、まるで昔から知っているような不思議な感覚。
気がつけば胸の鼓動が早くなっているのは何故?
もう、恋なんて歳じゃないのは自分が一番わかってるじゃない。
それなのに何で。
何でもう彼に会いたくなっているの。
足を止めると、もう自宅の前についていた。
私・・・・・・何でこの家にいるんだっけ?
彼に早く会いたい。
今日は早く寝よう。
職場に行ったら彼に会える。
早く会いたい。
私は家のドアをゆっくりと開けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます