第6話 咲のウエディングドレス
その日は、やって来た……。
父である、
咲は、どんどんと変身していく。
そんな咲を見守る
咲は、父親の事ばかり考えていた。もちろん和哉にも分かっていた。
2人は手を握り合い、
『お父さんの為に!!』
『あぁ。そうだ、分かっているさ。咲を幸せにするよ。大丈夫だ。』
挙式が始まると、2人は中継し出した。
たまに友人達が、代わる代わる
式の様子を撮影もしてくれていた。
その頃……父親の
iPad で挙式模様をルーキーが
一生懸命に音量を調整したりして
聞かせていた。
『石井さん?!』
『石井さん!!始まりましたから!!も少しだけ、、、神様!!どうか、、、!!』
本来ならば、集中治療室に入ってはいけないのだが。
ルーキーの
『石井さ……!!』
ルーキーの声にならない声が静かな病室で響く。
石井は、遂に昏睡状態から危険な状態へと急変するのだった。
看護婦達が、ドクターを呼び
バタバタと、慌ただしく現場は変わっていった。
(頼む!!頼むから!!!)
その頃…………
まだ産まれてくる前の孫とご対面をしていたのだ。
《おじいちゃん?僕を可愛がってくれて、ありがとう。》
《あぁ……もう咲の奴、孫が出来たか?》
《ううん。まだまだだよ?僕は後1年後に
《ハハハ。おじいちゃんはな?
咲……いやいや
《そんなことないよ?僕はおじいちゃんの事大好きだな?》
《ハハハ、そうか!ありがとな?逢えて嬉しいよ!そっか。男の子か、、、》
《おじいちゃん、おばあちゃんの事を頼むね?僕はずっとおばあちゃんの話を聞いてたんだ。》
《なんて言ってた?》
《ふふふ、僕とおばあちゃんの秘密なんだよ?》
《そっか~!こりゃおじいちゃん1本取られたなぁ……ハハハ》
《僕がママとパパを守るから。
だから、おじいちゃんは安心して?》
《お前がかぁ?出来るか?》
《うん。男と男の約束だよ?》
かすかに
指切りげんまんの歌を優木と歌いながら、小指を絡ませていた。
《おじいちゃん!!
また逢おうね!!!》
その時だった。
愛娘の咲を残して……
父親の
静かに息を引き取った。
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