49、指名依頼増えた

ウィンがどうしても発表したいと言うので、根負けで仕方無しに許したら、学院だけでなく他からも指名依頼が来るようになった。

アンは、学園に在学でしかもモーレイ家の長女。

その本名はウインも公表を控え、星ギルトのアンの功績と。

星ギルトの冒険者で済ませておけばよいのに、アンと名を出してしまったからには、依頼は名指しの指定になる。

ゴツマスも、アンに依頼が偏ってしまうことを懸念しつつ、ボーナスポイントは必ず付くと言うあたり、ギルマスとしての何かがあるのだろう。

なので、今日はゴツマスに逆依頼した。


『水魔法の特徴とする冒険者に採取手伝い』


水魔法による水撹拌採取係、長いので人間洗濯機を集めるといった依頼を作ると、ゴツマスから待ったがかかった。

「それは、お前が作り出した採取方法だ、簡単に教えてもいいのか?」

知らず内に開拓してしまった。

これは、あれだ、どこかで見たことあるやつ。

「なら、技術料としてマージン取ればよいのでは?」

「どういうことだ?」

「ここの誰かにやり方を教えて、それで採取して貰う。その採取方をした採取物からいくらか貰う。今までの採取後とは見た目から違うから、誰かが真似ても分かるからズルは出来ない」

「いくら貰うんだ?」

「1年目は3割、2年目以降は1割というのは?」

「なるほど、だがそのやり方だと、あっちのギルドでも適用しないと無理だがどうする?」

「あっちと関わる気はない……どうすればいい?」

考えるのを放棄すると、ゴツマスが少し意外といった顔で返してきた。

「お前が頼ってくるとは。……なら期待に応えるがギルマスの役目だ。そうだな。話の分かるやつがあっちにもいるからそいつを通す、だがやつは簡単には会えない。だから、しばらくは信用のあるやつに依頼をしてくれるか?」

「分かった」

噴水にもきちんとした人がいることを知った。

誰だろーと推測するのは野暮だ、ゴツマスが任せろと言っているのだから、任せてみよう。


と言っても、信用のあるやつがそう思いつかない。

ウィンは、完璧とまではいかないが、洗濯をどうにか覚えたので、一人目。

水魔法が得意となれば、弟二人を巻き込むか、あの二人も得意魔法とはいかないが、家系の影響もあり、水魔法は出来る。

シェル……は出来そう、ある意味完璧人なので、やってみてと言えば、やれるだろう。

ウィンとシェルに先ずは頼もう。

弟二人は、手が足りなくなった時用に残しておこう。

どうにか、依頼数をこなしていたのだが、弟二人の手も借りなくては、他のポイ活に支障をきたす。

そんなギリギリのタイミングで、マージン取り話が付いた。

あちらのマージン取りのやり方の方を押したので、了承しておいた。


ちなみに、そのマージンはギルド運営の孤児院と職業訓練施設に寄付にした。

ゴツマスは渋ったが、棚ぼたで管理しなければいけない現金なんて、面倒意外ない。

その管理は、ゴツマスの奥さまに頼んでみた。

ゴツマス夫婦とギルド内のアンへの評価が更に上がったが、アンはいつも通りだ。

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