43、友人……①

今日の午後は、授業なしだからとギルドへ。

その前に、食堂のメニューの厚切りステーキシチューセットが美味しそうと食堂で食していると4人が近付いてきた。

「あの、モーレイ様。今よろしいでしょうか。私事なのですが……」

「構いませんわ。いかがされました?」

「先日の……あの……」

恥ずかしがってモジモジと、可愛らしいという思いと、早くせいっと急かしたい気持ちが混在する。

だが、急かしてはアンの矜持が壊れると、モジモジを愛でる方へと切り替えた。

「私が……」

ストレート女子が、堪らずに口を挟むところを笑顔で制止、まずはと座らせた。

「私にご自身で伝えたいのでしょう?時間が許す限り待ちますわ。少し飲み物でも飲んで落ち着かれて。ほら、皆様も座りましょう」

そして昼休憩は、優雅なお茶会へと変貌してしまった。

美味な厚切りステーキシチューは、すでに腹に収まっていたので、ギルドへの意欲は引っ込めることが出来た。

食べ終わっていなかったら、とかは、言いっこなしだ。


給仕に、皿を下げてもらい、新たなお茶で口の中もサッパリ。

一息付いても、なかなか切り出せない取り巻き③に誘導尋問を開始する。

「先日の彼とは、仲良く出来てますか?」

コクリと頷いたあとに、はいっと返事が返ってきた。

「趣味は合いそうですか?」

「あ、読書と絵画です」

「あら、貴方と同じですね。それはよかった。お互いの共通項が多い方が続くようですからね。では、お聞きしますわ、私に伝えたいこととは?」

一度声を出したあとだから、出しやすくなったようで、一度喉を嚥下した取り巻き③は、口を開いた。

「こ、婚約させて頂くことにあいなりまして、ご報告を」

「あらっ、おめでとう。でも、私は貴方の上司でもなくてよ、ご報告と畏まらくても宜しいわよ」

「はい、そうなのですが……」

「友人として、祝福させてもらいたいわ、宜しいかしら?」

「えっ、はい。ありがとうございます」

と言いながら、その彼女の認識を取り巻き③と適当にしている自分っオイッと、脳内ツッコミ入れてみた。

改めて、この4人の名前をおさらいしよう。

ストレート女子改め、クレーフト国のルアーデ バースツリー。

取り巻き①も、クレーフト国のロッドリー ルライン。

取り巻き②は、メーアグラッセ王国で、ダイジライ フジャケット。

取り巻き③も、メーアグラッセ王国のキャッチアン ドリースモ゙。

ふっと、並べてみて凄いことに気が付いた。

アンダツゥと自分の名前もそうだが、女の子の名前としてはどうだろうと思う名前ばかり。

ルアーデ、ロッドリー、タイジライ、 キャッチアン。

可愛らしさがないのはどうしてだろう。

②のロッドリーなんて男性的な響きと感じてしまう。

なんて、ことはさておき案件だ。

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