41、噴水博覧会 2
「まだ私も若輩者。先にあげた強面騎士の人柄などは、一見では分かりかねます。でも、騎士団や楽員なのに、容姿のみで終わらせている方は、否と捉えます」
周りを見るとこちらを試しているのかと思わせる面子ばかり。
強面騎士などは特に、まだ世間を見慣れていない学生身分の子には、近寄りがたい。
女子が集まっている男性は、基本笑顔だが、目が笑っていなかったり、曇っていたりと、胡散臭い。
だが、ここにいる彼らの容姿は整っている部類だと思う。
冒険者や街の人や依頼人などの多種多様な人々を見るようになって、容姿が整っている=イケメンの構図が少しかち合ってきた。
整うの判断基準として、認識した範囲。
高身長、又は女性から10センチ以上高い。
可愛い系はそれ以下でも可。
肥満体質でない体質。
顔のパーツが離れ過ぎず、近すぎず、左右対称に近く、なおかつハッキリとしている。
清潔感のある髪型と衣類。
補足として、笑顔多めは女子の好感度高め。
「……なるほど。そのような見方はしておりませんでした。私もまだまだですわね」
「私が剣術などの授業を受けているからでしょう。……そうですね、女性特化の護身術などの授業でもあれば、多少はそういった目線も出来るかもしれませんね」
ふっと思いついたのは、くノ一のようなもの。
こちらに忍者は当然ないが、女性だけの騎士団もあるから、それの応用として教えてもらえないだろうか。
「それは、素晴らしいですわ。先生方に直訴しましょう!……それで、あの、モーレイ様から見て……先のお二方の他に何人かおります?」
「いえ、自身の好みを尊重し御覧下さい。私が見た見解のみを答えさせてもらいます」
すると、ストレート女子や取り巻き達が周りをじっくりと見始めた。
そんな様子を見て、博覧会でもいるようだと思った。
ここにいるのは噴水ギルドバッチを着けた、噴水たち。
そこで噴水博覧会と閃き、そんな裏ネーミングをつけることにした。
シェルへの良い土産話が一つ出来た。
「……空吹きフルートの方ですか」
「……時折片足に重心を乗せて立っていた、座ることが好きな騎士ですね」
先に相談してきた二人は、一度肩を落とし、またじっくりと見回した。
「覚えてない?……ああ、負け役にいたからですよ、相手を立てることがうまかったですね、そこに甘んじるかは彼次第ですけれど、その導き役がいるとよいですね」
取り巻き三人目は、今見て考えたと、武会のことは覚えてないと素直に言ってきた。
その言葉を受け、少し考えたあと、席を離れますわっと自分たちから離れ、その彼の元へ向かった。
声をかけられた男性は、驚いた様子で取り巻き③の言葉にハニカミを見せ、二人は言葉を交わしていった。
すると取り巻き③は、こちらを向き、コクンと頷いた。
なんの合図だろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます