22、午後は変身-常連気分
今日は、試験前で午前のみの授業。
テスト復習は午前授業中に終わったので、午後は星に変身!
早速、ギルドの掲示板にあるクエストを吟味していく。
薬草摘み、お手伝いのクエ、魔物討伐を掲示板から剥ぎ取り、受付に持っていく。
薬草摘みとお手伝いは、縛り課題として毎回受けている。
だが、なんとこの二つ、10回こなす事に追加ポイントと報酬が貰えるので縛りではなく、ご褒美クエでもある。
今日はその10回目なので、ホクホク確定日。
ギルドカードとクエを受付に提示すると、受付に無言で確認され判子をポンポン押さ、戻された。
受注時の混雑を避けるため、受付は無言で確認が基本だが。
「10回目だな、頑張ってこい」
「うん、行ってくる」
顔を覚えられてからは、こんな挨拶もしたりするようになった。
あちらで、毎日のように行っていたコンビニのおばちゃんもよく挨拶とかしてくれていたが、ペコリとすることしか出来なかった。
あちらでもう少し社交性を培っていたら、おばちゃんと話しとかしていたのかもと、思ってみたりする。
たまに店員と話している客を見て、仕事しろよっとも思ったが、なんかすげーっと思っていたりもしていた。
まあ、ゴツメンの多い中、眼鏡女子が目立つ訳でもなくいるってのが不思議だと、さっきの受付に気付かれてからだが、おかげで常連気分を味わえている。
さて、この世界、地面に魔力がないと魔物はいられない。
魔力のない地面には魔物は近付かない。
よって、魔物を遠ざけるには地面にある魔力をある方法で失くす、それが村や町となる。
でも、薬草の殆どは魔力のある土、魔土でしか育たない。
すると薬草摘みは冒険者の仕事になる。
魔土にも魔力含有量の差があり、魔力の弱い魔物は含有量の少ない場所にしかいない。
よく分かるのは、ダンジョン。
一層、二層と階を下る事に魔力含有量が増え、魔物の強さも上がっていく。
薬草も魔力含有量で状態や効果が違う。
ちなみに色々と知識があるからと言って、アンはチート保有者ではない
一般よりは優れた素質もあるが、冒険者家業はコツコツと上がっていくしかない。
だから、ボーナスポイント大事!
自身の許容範囲内の魔土で、索敵しつつ、薬草を摘み。
気を抜き物陰から魔物が飛び出してくることがあるからと、最初の内はシェルが付き添っていた。
手は出さないが、本当に危険な時だけ助ける形、だったがその付き添いも今はない。
「シェルがいなくても寂しくないもん、なーんて。さて、あと2本~……」
周りを気にしつつ、薬草を摘むのは神経を使い結構大変だが、それこそリアルな冒険。
ワクワクを引っ込めて、目当ての薬草を摘む。
「いますけどね」
シェルが距離を取り、気配を絶ち、見守っていることをアンは全く知らない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます