08、なんだこれ?

かの魔法学校の女子が持っていたような特殊砂時計がないのが悔やむが、どうにか受けたい授業は取れた。

午前にある必須科目は3科目で、あとは選択科目。

剣術や武術が流儀に分かれて3個ずつあって、どれを選ぶか随分迷ったが、武術は家のがあるからと省いて、剣術を2科目取った。

魔法は、属性によって科目になっているが、魔法は水は勿論取った。

他には、体力学科、鍛冶学、建築学、魔物学などと、興味のある科目は取りまくった。

それにしても、この学校ぬる過ぎる。

午後のは、授業ではない。

社交性を養う為にと、ダンスに作法、そして、お茶会……。

それが学校か!!!と憤ったが、午前も選択科目を詰め込むではなく、最低限取ったらフリー可なのだから、もう呆れてしまった。

そして、全時間に取得科目入れるのは、年間10人程で、めでたくその位置に入ることが出来た。

日本の学校は、授業が始めから決まっていたよ、びっちりと……。

ゆとりというのは、こういうのを言うんじゃないだろうか。

これこそがゆとりだろう、あれはゆとりではないよ。

そうそう、毎年取得者数の多い科目が皇帝学らしい。

皇帝になる人が取るのではなく、皇帝になれる人が取ってる科目だから、みな取るようだ。

後の皇帝や王、その近い立場になる人と顔馴染みになる為にも、親族から必ず取得しろと言われるらしい。

勿論、そんなんは興味ないから取らなかったよ。


そして、入学式から2日、各科目の見学期間が終わり。

今日から正式授業!

まずは、必須科目の語学だ……。

「名を名乗れ」

「はっ。…………と申します」

「発言を許可する」

「っと、このように、目上の者から名を求められた時は、すぐに名だけを伝え、次の発言の許可を待つように……」

教師に呼ばれ、教壇前に立つ、なんたら王子とその王子を見上げる誰かさんによる寸劇。

これが、必須の語学の最初にやる授業か?

まあ、日本よりはそう言うのは厳しいと思うが、それを今、ここで?

何という、カルチャーショック。

必須科目、いらない気が……。


一応、その後、主要各国の共通挨拶から正式挨拶までやったから、そこはよかった。

知ってはいたが、目の前で寸劇のように挨拶祭りされるのは、面白かったから、なんとか許そう。

でも、こんなんが毎回なら後ろの席なのをいいことに、他のを勉強してしまいそうだ。

あちらでは、ゲームで時間を削り授業はよく寝てしまっていたが、今はアンとして生きている。

そのアンには、授業中に居眠りというのはインプットされていない。

時間は無限ではなく、有限だと知っているから、睡眠は必要時間だけでいい。

あー、でもやっぱりあの時間巻き戻し砂時計欲しい。

校長先生、もっと勉強したいです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る