変なウィルス感染が広まる!?

神石水亞宮類

第1話 変なウィルス感染が広まる!?



ある日、突然! 今まで聞いたことがないウィルス感染が広まった!?

特徴は? お腹がぷっくりと膨らむものだ。

時限爆弾のように、感染した者は3日ほどで風船のように膨らんで

爆発してしまうのだ。

個人差もあるため、いつ感染者のお腹が爆発するかは分からない!

見た事も聞いた事もないこのウィルスに医師も手の打ちようがなかった。

治療法もワクチンもないこのウィルス。

僕の住む街でも一気にこのウィルス感染が広まった。

次々に、人々が病院に運ばれていく。

老若男女問わず、大きなお腹が急に膨らんだまま救急車に運ばれていく。

空気感染なのか? 飛沫感染なのか? なんなのか分からないのだ!

街は、謎のウィルスで大パニックになる。

茂垣苦しみ、吐血する人達も数多くいた。

風船のように、みるみるうちに膨らむお腹を目の前に気絶する人もいた。

泣き叫ぶ子供の前には、大きなお腹になった母親の姿もあった。

大きく膨らんだ小さな子供を抱きかかえて、大きな声で叫ぶ母親。

何台も、救急車や警察、医師も駆けつけたが、彼らもまたお腹をふくら

ませあっという間に感染してしまった。

街は、感染者であふれかえってしまった。




ただ、感染しない者もいた。

そう、その一人が僕である!

僕のお父さんお母さん、弟と妹も感染したというのに......。

僕一人、感染する事はなかった。

僕は病院で検査を受けて何故、感染しないのか?

僕に、このウィルス感染に対しての免疫力があるなら僕の細胞から

ワクチンを作れないのかと検査が毎日続く。

僕は、これ以上! 人が亡くなってほしくないと思いひたすら

検査に耐え続けた。




・・・そして、数日後。

僕からワクチンができる。

お腹を膨らませ病院に運ばれた人達に素早くワクチンを打って

いくと? 徐々に膨らんだお腹はしぼみ回復していった。

こんな僕でも、人の役に立ったよ。

一斉に、僕からできたワクチンは感染した人達に打っていき

皆、回復していった。

街は、次第に静かになり平和を取り戻していく。



・・・でも?

僕の家族は、もう帰って来ない。

それでも、僕は生きていく!

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